あかんべえ (PHP文芸文庫)
あかんべえ (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
優希
優しくて切ない物語でした。おりんの前には色々なお化けが現れます。様々な騒動が起きる中で、成仏させようと奮闘するおりん。幽霊たちからはあたたかさを感じました。人の心に巣食う闇を見つめながら成長していくおりんが愛しかったです。終盤、お梅がどれだけおりんを羨んでいたかがわかります。それでも憎めないのはお梅の優しさでしょう。人の心の醜さを知っても純粋さを失わないおりん。どれだけまわりに大切にされているかを知ったからきっと幸せになれるんだろうなと思いました。
2014/12/25
ポチ
料理屋の娘・おりんがお化けさん達と心を通わせながら成長していく。大変面白く680頁も気にならない物語。おりんの人の闇を目の当たりにしても健気に立ち向かっていく姿に胸が少し熱くなりました。
2018/08/25
ガチャ
時代もののお話しで、更にお化けが出るお話し!! 良いお化けもいれば、悪いお化けもいて、主人公のおりんが勇敢に奮闘します。10歳なのにと思うのは、大人だけかな。 おりんは、お化けさんのおかげで、お化けさんは、おりんのおかげで、救われ成長できたんですね☆☆ 温かいお話しでした。
2016/11/15
nico🐬波待ち中
江戸の料理屋の一人娘おりん(12歳)は、あることがキッカケで料理屋に古くから住む5人のお化けが見えるようになる。5人のお化けが見えて会話できるのは何故かおりんのみ。個性的な5人のお化け達は果たして無事に三途の川を渡り、成仏できるのだろうか……。賢く周りの人達(お化け含む)から愛されるおりんの周りで次々に起こる不思議な出来事の謎を追う。ファンタジーあり、江戸の人情あり、おりんのお父ちゃんが創るご馳走ありの、色々な要素が詰まったエンターテイメント性のある、心温まる物語だった。こんなお化けなら逢ってみたいかも。
2016/01/08
onasu
要らぬ心配をしていたのは、おりんの両親が開いた料理屋「ふね屋」の経営。祖父が当座の金主とはいえ、立て続けに座敷で亡者騒ぎでは、噂もそうだが、修繕代だってばかにならない。 次いでは、おりんの「見える」ことが、どう繋がっていくのかが中々明かされないこと(母と階段下に潜むところは好きだけど)。 「あかんべえ」をするお梅、隣家の貧乏旗本、差配宅のヒネ勝が絡んでこないのにもやきもきしたが、亡者を使って人の業をあぶり出す辺りは流石。 そして、宮部さんの作で、こんな読み漏らしがあったのが、最たる嬉しい誤算でした。
2019/05/04
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