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霖雨(りんう) (PHP文芸文庫)

霖雨(りんう) (PHP文芸文庫)

霖雨(りんう) (PHP文芸文庫)

作家
葉室麟
出版社
PHP研究所
発売日
2014-11-10
ISBN
9784569762562
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霖雨(りんう) (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

江戸時代末期天領の日田で生きた広瀬兄弟の生き様を描く歴史長編。時雨、驟雨といった雨が物語の重要な要素になっており、それを描き出す葉室さんの静謐な文体が、この小説を味わい深いものにしている。世俗に流されずに生きることの難しさがこの小説のテーマであり、読みながら読者は自分の生き方をもう一度考え直すことになる。いつも寡黙で、自分のことより周りの人のことを気遣う広瀬兄弟の弟久兵衛が魅力的な登場人物だった。物語の狂言回しになる美しい女性千世に対する久兵衛の秘められた想いが切ない。

2015/06/21

ふじさん

豊後日田で、私塾・感宜園を営む広瀬淡窓と、家業を継ぐ弟・久兵衛は、塩屋郡代の権力の横暴に耐え、清冽な生き方を貫く。晩年には、淡窓は、大村藩主や水野忠邦に意見具申をしたり、明治維新に影響を及ぼした人材育成に力を発揮。弟の久兵衛は府内藩の財政再建の改革に力を注ぎ、高い評価を得る。辛いことにもめげず志を持って、諦めずに道を進めばそこには必ず光が見える。読んでいて勇気が湧いてくる。幕末にこんな人物がいたことが誇らしい。

2022/04/11

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

久しぶりに読む葉室麟です。天保の飢饉を原因とした米不足に端を発し、大阪では大塩平八郎が庶民のために立ち上がり、一方、九州は豊後日田で私塾・咸宜園を主宰する主人公は時勢の流れにじっと耐えます。どちらのとった行動が正しかったかなんてことはわかるものではありませんが、登場人物の清廉で落ち着きのある生き様は自分にないものを見るようで気が引き締まる思いです。しっとりとした大人の文体は安心して読むことができるし、やはりいいですわ~葉室さん(*^^*)

2016/11/13

優希

凛とした空気感がありました。時代の大きなうねりの中で、権力に耐えながら己の生き方を貫く広瀬兄弟に惹かれました。理不尽なことがその人生に降りかかろうとも諦めない生き方の大切さを教えられたような気がします。

2022/02/27

ちゃとら

葉室麟さんは2作目かも⁈大分県日田市で私塾を開いている広瀬淡窓と生家を守っている久兵衛兄弟。藩のしがらみもハンパなく、塾にまでバカ息子を入れてマウントをとりたがる💢そこへ逃げてきた元兄嫁と義理の弟。情けなさすぎる義理の弟。イラッとする登場人物が多かった。後書きで、葉室麟さんと大分県知事の広瀬勝貞さんの対談が載っていたが、この知事の祖先が、広瀬淡窓と久兵衛だった事が、1番驚いた😅💦

2024/06/30

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