四色(よしき)の藍(あい) (PHP文芸文庫)
四色(よしき)の藍(あい) (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
優希
物語が二転三転する展開と謎が絡むので、意外な方に進んでいくのにハラハラしました。4人の女性たちが恨みを晴らす愛憎劇とでもいうべきでしょうか。それぞれが抱える思いがあり、協力して敵討ちに挑む。色々な話が散らされながらも最後に繋がるのは見事ですね。時代こそ江戸なれど、暴力を見ているような気分にもなりました。それでも根っからの悪人がいないのが救いなのかもしれません。
2017/03/05
はつばあば
4人の仇討とはちょっと違う感じですが・・やっぱり仇討ちかなぁ。この本、奈加さんの本の中では私は上位につけたいかと。女が強いのは大好きですもの(#^^#)。藍染め屋の亭主が殺された。女将さんは絶対あの東雲屋の亭主が犯人だと。顔が悪い男は皆悪者なんでしょうかね(笑)。藍染に関わる国では悪い奴らが暗躍する。それも人生の半分先のことを見越して地道に根を張る用意の周到さ。いやいや云い過ぎか。いざとなったら男には無いだろう女の肝っ玉の深さ(失礼しました)。おあとがよけりゃ全て良しと(#^^#)
2022/01/03
shincha
久しぶりの西城奈加さん。藍色の藍を出す為の藍玉。藍玉を作る工程。そんな藍染めの世界が舞台。職人気質の亭主を陰謀により殺されたおかみと敵を探す若侍、仇の用心棒に恨みを持つ茶店の女、やたら力の強い老女。この4人が織りなす怨恨と人情と偽りと真実とをごちゃまぜにした時代小説エンターテイメント作品。途中で、読者にヒントを与え、その答え通りの展開に持って行って、更なる展開が…最終章は、人の心の変遷と葛藤と優しさがあふれ出て、オッサンが落涙。あ~西條奈加さんの作品を堪能しました。
2022/06/08
のびすけ
殺された亭主の仇を討つべく、藍染屋の女将・環が事件の真相を探るミステリー仕立て。環は、若侍の伊織、遊女のお唄、洗濯婆のおくめの訳あり三人とともに、犯人と目する東雲屋を探る。伊織・お唄・おくめのそれぞれの物語が事件に絡み合い、意外な真相が暴かれる!事件の決着により訪れる四人の愛の結末‥。辛い過去に負けず、みな幸せになってほしいと願う。読み応えで充分で面白かった。
2021/02/09
くぅ
面白かった。西條さんらしさがない感じで、それが寂しい気もしつつ、それでも面白かったなぁ。色々書いてしまうとネタバレになっちゃうから難しいけれど、この時代にもこういうのがあったんだろうなぁと考えるとまた面白いなぁ。現代でもこのところこの職種の人が罪を犯すことがあるもんね。でもまぁ職種はさておき、やっぱり昔は産みの親と育ての親が違う場合も今より多かっただろうし、そうなるとこういうこともあるかもねぇ。しかし、唄さんには幸せになってほしいなぁ、ホントに。
2019/02/21
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