桜ほうさら(下) (PHP文芸文庫)
桜ほうさら(下) (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
久びさの「宮部時代ワールド」を堪能。あっと驚かされるミステリーの顛末、ダメ侍・笙之介と、ワケありお転婆娘・和香の恋の行方、完璧ではない家族の落ち着きどころ、、、。大団円ではない〆がいい。ほのぼのとしたイラストにも癒されます。
2017/12/20
yoshida
賛否両論あるラストだと思うが、個人的には良いと思う。宮部みゆきさんの真骨頂だろう。人間の感情の動き、底知れぬ悪意、血縁の相克が実に丹念に描かれる。そして、非常に切ないラストを予想した後に、希望に満ちたラストとなる。人生は自分の力だけでは生きられないし、生れた境遇に違いもある。生きていれば困難もあるし投げ出したくなる夜もある。それでも自分なりの生き方で生きる。愚直に。未来を向いて。主人公の笙之介は心映えの綺麗なやや平凡な人間だと思う。だからこそ笙之介の生き方は読者の共感と感動を生む。実に見事な作品だと思う。
2018/05/13
三代目けんこと
まだ少し早いのですが、2019年の文庫本№1を「桜ほうさら」に決めました。 今年も多くの災難がありましたが、いずれ「<ささらほうさら>だったね」と微笑みながら言える日が来ますように…<(_ _)>
2019/10/28
ううち
下巻。古橋家の事件の真相が明らかに。現代ではなかなか困難な身の振り方は江戸時代ならではか。武部先生、太一が良いキャラでした。 宮部氏の別作品で『ささらほうさら』が合言葉として使われていたのを思い出しました。そちらも再読してみたくなりました。
2018/08/27
katsubek
ああ、読み終えてしまった。宮部ワールドから、出てきてしまった。最後の最後に急転直下があって、そこで電車が駅に着いて、あー、読めないではないかと。で、家に着いてから、最後まで味わえた。巻き込まれ、翻弄されながらも、やっと出口を見つけることができた主人公、さて、この先、どう生きるのか。苦しみ・悲しみを知る故に、それを人に伝えたいという思いが強くなるのであろう。伝えるという使命の大きさを垣間見たような気がする。きっと、宮部氏の思いもそこにあるのだろう。ああ、いい本だった。
2016/02/05
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