鯖猫長屋ふしぎ草紙(三) (PHP文芸文庫)
鯖猫長屋ふしぎ草紙(三) (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
SJW
舞台は江戸時代の根津や上野不忍池辺りで、自分が通った高校のすぐそばなので愛着がわく。架空の話とは言え、あの場所をサバ(主人公の鯖猫)や拾楽(サバの飼い主)か歩いていたかと思うと相好を崩してしまう。今回は長屋の店子の「おはま」と兄の「貫八」にまつわる話。拾楽に気があるおはまに嫁入り話が持ち上がり、かなり気になる展開となった。相変わらずサバの偉そうな態度や、拾楽と周りの人達との会話には笑ってしまい、第4巻の行方が気になってしまう。サバ達が隅田川の花火を見に出かけるが、猫が花火に平気というの疑問。(続く)
2018/08/27
ぶち
ふしぎ草紙という題のとおり、この世のものとは思われないモノがでてきますが、それよりもさらに恐ろしいのは悪に心が染まった現実の人間です。 千之助は本当に胸がむかつく輩です。読んでいて、ムカムカと腹が立ったり、性根の恐ろしさに全身が粟立ったり.....犬の三代目アジ(麦)がこの輩から負わされた不幸に泣いたり、本当に心によろしくありません。 救いは、子猫のさくらの可愛らしさ。健やかに育っていって欲しいです。サバよ、頼んだよ!
2019/09/16
sin
或る意味片が付いたものの、いわくつきの『出戻り文箱』を宙に浮かせたまま物語が先に進むので、きな臭いおはまの縁談の行方と共にはらはらしていたが、最後は見事な着地を見せていただいた。おはまの兄の良い人かげんにはうんざりさせられるが、白おかめ(笑)のおはまに対する煮え切らない態度も、まるで生殺しでどうかと思う。さて今回の悪役は人でなしだがその時代の法で罪に問われるのかどうか?胸のすく終わり方だが、その成行きが登場人物たちに甘すぎるように思えて仕方がない。そうそう今回大将はなかなかの役者ぶりを見せてくれました。
2017/09/15
はる
巻を追うごとに登場人物の個性がはっきりとしてきて、心地良く楽しめました。なんとも怪しい雰囲気で始まる今作ですが、意外とあっさりと解決。悪党もやや小者過ぎた気もしますが、愛すべき長屋の住人たちや猫のサバに会えるのは嬉しい。おはまとの恋の行方は相変わらずはっきりとしないけれど、それは次巻以降の楽しみということで。
2017/12/02
Rin
【図書館】今回は、どのお話も嫌な予感が漂っていて。長屋に暮らす人々のやり取りが軽快で、特におてるさんの性格で救われながら読み進めた。頑張り屋で優しく、気が利くおはまちゃんが事件に巻き込まれてしまう。他者へ心を配れるからこそ自分の気持ちを押し殺して、他社のために笑おうとする姿がとても痛々しかった。お兄ちゃんしっかり!とやきもきさせられた。それでも長屋の人たちや掛井さんに、ニキのご隠居さんと助けてくれる人はたくさんいる。ますますサバが猫離れしていたし、動物に理不尽な暴力を働く人がきちんと捕まってよかったです。
2018/02/25
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