なさけ <人情>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)
なさけ <人情>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
いつでも母さん
女性作家による時代小説アンソロジー、テーマは【なさけ】いろんななさけが有った。西條さんの『善人長屋』が恋しくなる。坂井さんの『抜け殻』は好みだった。『地獄染』の村木さんにはビックリ。老若男女、情けは人の為ならずというが・・それをどう受け取るか。掛けても掛けられても切ないのは変わらない。
2018/04/12
shincha
6人の作家さんの時代小説アンソロジー。存じ上げているのは、最初の西條奈加さんと最後の宮部みゆきさんだけでしたが、とても楽しく読了。善人長屋は、本編で既読でした。どの作品も読後の心に仄かな温かみを残すような、江戸に生きる日本人の厳しさと優しさと人情が垣間見られるような作品。特に最後の宮部みゆきさんの『首吊り御本尊』は宮部さん得意のオドロオドロシイ作品かと思いきや、さにあらず、ご隠居様の優しさが滲み出るような作品でした。色とりどりのあられ煎餅の詰め合わせのように、色々な味わいを楽しめました。
2021/11/29
ゆみねこ
実力派女流作家の時代小説アンソロジー。西條奈加さんの『善人長屋』は既読。田牧大和さんの『海の紺青、空の碧天』がとても良かった!
2020/07/29
タイ子
6人の女性作家により時代小説アンソロジー。お二人の作家さんは未読でしたが、どの物語も女性らしい目線で書かれていて良かったです。西條奈加さんの「善人長屋」は読んだことあるけどおもんさんの登場シーンはやはり面白い。お気に入りは田牧大和さんの「海の紺青、空の碧天」。青春小説みたいでタイトルの如く晴れ晴れとしました。人からなさけを受けるだけではなく、しっかりそれを受け入れる強い心を持つことが大切だと言うことをそれぞれの登場人物たちに教わった気がします。
2018/05/19
papako
時代小説アンソロジー。『なさけ』と銘打たれているけど、『なさけ』なのかなぁ。『善人長屋』は4回目くらい?全部再読したくなった。坂井希久子、志川節子は子供の手を離してしまった母親。それぞれの結末だけど、江戸時代だと死別含めて逆縁は多かったんでしょうね。おえんが着物を買う理由が知りたい。田牧大和『海の』いいな、これ。安芸から江戸に姉が嫁入る長太郎が許嫁の顔を見に行く。姉と許嫁の布のやりとりとか、ほっこりしました。『地獄染』はなぜこれが?宮部みゆきは安定。だけどやはりなぜ『なさけ』?ちょっと考えちゃいました。
2022/03/19
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