面白くて眠れなくなる生物学 (PHP文庫)
面白くて眠れなくなる生物学 (PHP文庫) / 感想・レビュー
はっせー
難しかった! この本は生物を勉強している人や生物に興味のある人に向けた本である。私は文系なので読めないかなって思っていたが、結構話を理解することが出来た。だが、やはり遺伝の話などは苦手意識もあったので頭に入りにくかった。でも生物の教科書よりも格段と読みやすかった。アリやハチのコロニーの話はかなり興味深かった。なので、またこの本の著者の他の作品も読んでみようと思った!
2019/05/28
nico🐬波待ち中
「何事にも理由がある」ほんと、そう。道端に生えている花に止まって蜜を吸うハチや道の上に行列を作っているアリにも、それぞれにとってより最適なものへと進化を遂げるための一貫した原理があった。中でもハチやアリたちが意思決定のために多数決を使っているのにはびっくり。社会性を持ち集団生活を送る彼らの役割分担や効率性にはほんと感心する。この他ストレスを受けると、鬱になるザリガニ、悲観的になるミツバチ、躁状態になる魚など、ヒトによく似た症状になる生物にも驚いた。生物にとってストレスとはつくづく耐え難いものなのだ。
2023/07/27
yamakujira
看板に偽りあり、就寝前に読むと睡眠導入剤の効果があった。でも、それは退屈だとかいうことではなく、内容がちゃんと「生物学」だから、理解しながら読まないと文字が滑ってしまい眠くなる。遺伝子の仕組みとか、コケ植物の単数体とか、生物の授業よりわかりやすく解説してくれて、暗記と理解の違いを痛感するし、ウメマツアリの雌雄差なんてとても興味深い。でも、生物学の門外漢には決して平易ではないから、「面白くて眠れなくなる」にはほど遠いけれど、このタイトルは「面白くて眠れなくなる○○」ってシリーズなんだね。 (★★★☆☆)
2018/11/03
kinkswho
エネルギー代謝の回路に関する説明は優れれている。 酵素を使う回路は膜内の「液体」(基質)で化学反応。電子を伝達する回路は電子という「もの」を受け渡すので膜上のタンパク質で処理。 理解しながら覚えられるのが良い。 少なくとも私が高校生だった90年代にはない解説であった。 知識の羅列で細かい情報を暗記していくしか術が無かった時代から新たな知見が加わった事がわかる。 進化論を前提とすることで生物の教科書をもっと体系的にできる、という提言をしているのは興味深い。
2021/02/27
あすか
アリやハチは個々の局所的な判断が全体最適になるよう、反応が制御されている。例えば新しい巣探しのときの多数決や、巣作りのときの荷運び・建設の役割分担。個体よりも種として遺伝子を残していくことに有利な集団が選択され生き残っている。翻ってヒトは今、個人の幸せが全体最適よりも重視されつつある。本書ではヒトは脳が発達し、他の生物にない複雑な感情を持つようになったとある。この部分がヒトとそれ以外の生物を分けるポイントなのだろうか。種よりも個人を優先したとき、種として生き残ることはできるのだろうか。
2020/07/05
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