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睦月童(むつきわらし) (PHP文芸文庫)

睦月童(むつきわらし) (PHP文芸文庫)

睦月童(むつきわらし) (PHP文芸文庫)

作家
西條奈加
出版社
PHP研究所
発売日
2018-12-28
ISBN
9784569768700
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睦月童(むつきわらし) (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー

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sin

悪所通いは若気の至りとしても憂さ晴らしとは言え押し込みは犯罪…その罪をかろうじて救ったのは奥州から招かれた睦月童。改心した若者と不思議な童子が江戸の庶民と織り成す人情モノかと思いきや、睦月童を知る侍と出会ったことで物語は睦月の里の成り立ちに至る伝奇物語へと様変わりして、侍の過去が睦月神に立ち向かうとき里の民が信仰する睦月神は若者の前に思いも寄らぬ姿を現す。

2022/02/01

真理そら

再読。アンソロジー『ふしぎ』に第一話が採用されていたので読み返してみた。やっぱり気持ちいい物語だ。女のいつまでも若く美しくありたいと願う気持ちを冷たく切り捨てたりしない結末もいい。初読の際「おねま」の続きが読みたいと思ったのを思い出した。

2021/09/11

はつばあば

今年最後の本にこれをもってきました(#^^#)。央介はええとこのボンボンでちょい悪。睦月童イオと出会い自分の行いに詫びを入れ・・、兄と妹のような雰囲気で江戸を堪能すイオ。睦月神様とは如何なる神様か、なんだかアマゾネスを彷彿させるような展開かと思えば、八百比丘尼やかぐや姫が登場しファンタジー性満開。地下に住まう睦月童をエサにする睦月神・・。そんな失礼な事を言っちゃならないが・・人をエサにする神も、国民をエサにする政治家も皆上から目線なのよねぇ。まだ今年は終わらない。後1~2冊選んで最後の〆にしようかな

2021/12/31

一華

時代ファンタジー…前半は央介とイオとのやりとりが微笑ましく、温かいお話かと思いきや…睦月の里に関わる秘密が明らかになるにつれ、畏れるほどに悲しい物語になっていく…里長のカエデさまの「等しくとは笑止な。男の造りし世で、大手をふっているからこそ言えること…… 」ずしりと重く響く…イオが睦月の民らの想いに寄り添い、普通に人として美しく成長し、央介や沖助とともに幸せに暮らせることを願う。

2019/01/24

shincha

西條さんの作品の中で一番好きな作品が「千年鬼」でした。「睦月童」は、小生の中の第一位を揺るがす作品でした。罪を犯した者には、イオの目が金色に輝いて見え、自らの罪を顧み苦しみ悶絶する。会心した央介とイオのコンビで江戸の悪をやっつけていくという爽快な物語…かと思い読み進めるが…全く違う趣に…最後の第5話~第7話は、切なく、苦しく、心が押しつぶされそうになる。きっとイオは目覚めた後、睦月神との草の弦が断ち切られた後に目覚め、央介やルイや鯨(いさな)の親分とお団子をほうばっていて欲しい。素敵なファンタジーでした。

2021/03/21

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