ねこだまり 〈猫〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)
ねこだまり 〈猫〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
mae.dat
6名の女性作家さんに依るアンソロジー集。成る程ね。本書の為の書き下ろし短篇なのかなぁと、思い込んでいましたが、違ったみたい。時代小説の中からねこに纏わるお話を選択して収めてあるのね。だからなのか、確かにどの話もねこは重要なポジションを取っていますが、話の中心とはちょっとずれているのかな。お江戸でのねこねこしたお話を期待しちゃったよ。『踊る猫』では与謝蕪村が出て来ていて。勿論創作だとは思いますが、どこまで史実を反映しているのかが気になる所です。江戸の話(京の舞台もあったけど)は地名に味があっていい感じだね。
2023/06/29
初美マリン
やはり鯖猫長屋が好きでした。サバやさくらがでてくると嬉しい!
2020/08/30
ぶち
女流作家による江戸時代の猫のお話を集めたアンソロジーです。どの短編も珠玉の面白さ。特に、『国芳猫草子 おひなとおこま』の続編にここで出会えるとは、なんとも嬉しいサプライズです。国芳と言えば猫の絵ですが、まさか蕪村と円山応挙の合作にも踊る猫があったとは驚きです。その絵の制作秘話のようなお話しは、胸に沁みるようで、あらためて蕪村や応挙の絵を鑑賞してみたくなります。宮部みゆきさんの作品は、百物語の中の一編に似て、背中ゾクリする読み応えです。この一冊、なんともお得な一冊です。
2020/05/06
nico🐬波待ち中
2020年(令和2年)2月22日。今年のねこの日はいつもに増して2がいっぱい。ということで猫をテーマにした時代小説アンソロジーを。昔も今も、人にとって身近な存在の猫。人が猫に振り回されることは数あれど、猫が人に惑わされることは決してない。勘が鋭く人の言葉も考えも全てお見通しの"したり顔"。しゃくにさわるが、膝の上で丸くなって寝られると、もう許してしまう。憎らしいけど憎めない、そんな猫が愛しい。特に『包丁騒動』『おとき殺し』が良かった。江戸の長屋の猫だまりで、のんびりとくつろぐ猫達に思いを馳せながら。
2020/02/22
タイ子
6人の女性作家によるいろんな猫が物語を動かすアンソロジー。大方の短編は読んでるのだが、覚えてないのが悲しい。いや、忘れていたからこそ再度面白く読めるというもの。「鯖猫長屋」のサバも登場。未読の「踊る猫」、与謝野蕪村と主水という名の絵師の一枚の絵の誕生物語が面白い。ラストに主水の正体が明らかになった時の驚き!アンソロジーで出会う初読み作家さん。生活の中でそこに居る事が普通になっている猫の存在がこういう形で語られると幸せな気持ちになれます。
2020/04/05
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