とらわれない-苦しみと迷いから救われる「維摩経」
とらわれない-苦しみと迷いから救われる「維摩経」 / 感想・レビュー
ねこさん
『とらわれない』というタイトルがいかにも悩める人向け、仏教初学者向けの本。内容は口語文による『維摩経』、別名『不可思議解脱経』の概説で、維摩居士の執着に対するアプローチ、実践的な空の痛快な面が強調されていて読みやすい。例えば念仏三昧とか、公案の拈提などの経験があればおそらく平易な内容。聖徳太子の注釈書『三経義疏』の一つが『維摩経義疏』だから、面白さはまさにお墨付き。
2022/03/08
クサバナリスト
今月のNHK『100分de名著』の課題本は『維摩経』。同番組の指南役の著者の本著を予習ということで読んだ。何となく理解できたが、あとは番組で確認!
2017/06/02
新父帰る
2009年8月刊。維摩経を超訳。全編を超訳したのではなく、著者の判断でエッセンの部分を超訳。全編の現代語訳を読んでいないので本書との比較はできない。ただ、読後感として分り易く、すーと「空の思想」が入ってきたような感じの入門書だ。存在と時間との不分離。過去も未来もない。在るのは今この一瞬だけ。あると言われるものにも実体がないので、生ずることも滅することもない。あるのは関連性だけ。それが「縁起の論理」となる。実体がないのだから、とらわれる必要もない。とらわなければ、苦も迷いもない。と維摩の言説が延々と続く。
2023/07/11
はる
苦悩の中を生き抜こうとする私たちが進むべき方向性とは。時と存在が一瞬一瞬の連鎖であり、この一瞬の影響によって次の一瞬が成立する。仏教を学べば、何かものすごいパワーを手に入れることができるわけではありません。むしろ、今、私が、ここにいる、そのことを再点検し、それがどれほど不思議なことかをリアルに実感するところから始まります。今、立っている場が、どれほどの関係性の網の目に支えられているか、それを智慧の目で見つめなおすのです。
2019/05/06
乱読家 護る会支持!
とってもロックな?在家仏教者の維摩さんと文殊菩薩さんの問答を書いた「維摩経」の本。私、この本をすらすらと、しかも速読で読みこなすだけの智恵はありません。んが、「私は悟った」「私の生き方は、これでいいのだ」と思う事は、瞬間はいいとしても、次の瞬間に「ほんまにそうなん?知らんけど」と、自分の生き方や枠組みを問い直し続けないといけないなあ〜〜と思った次第です。離島で一生を過ごさないといけなくなった時に持っていきたい「歎異抄」と「維摩経」と「北斗の拳」。あれ?
2016/06/10
感想・レビューをもっと見る