寿命はどこまで延ばせるか? (PHPサイエンス・ワールド新書 4)
寿命はどこまで延ばせるか? (PHPサイエンス・ワールド新書 4) / 感想・レビュー
月讀命
最近思う事がある。寿命を延ばす事が人類にとって幸福であろうか。私が子供だった頃、人口は37億人であった。しかし今は70億人。こんなに増えても、地球の表面積は変わらない。将来、食料は不足し、資源は枯渇し、ひいては地球環境をも破壊する。人間が、長生きすればするほど食料は必要となり、化石燃料等エネルギーを消費する事は周知の事実である。利己的に個々としての人が長生きする事は良い事であるが、反面、俯瞰的に見ると長寿は人類にとって、その子孫に悪影響を及ぼすのではないだろうかとさえ考える。医学を否定するわけではないが。
2011/12/20
pitt
池田先生の語り口、すきだなぁ。とてもわかりやすかった。逆に寿命が延びてしまうことが怖くなってきた。
2018/12/06
K K
難しいが面白い。相変わらずの池田節。 大きな細菌の中に小さな細菌、共生説、面白い。 接合せずに分裂して増殖するゾウリムシ。人間とどちらが高等かと思う。 池田さんはドーキンスの利己的遺伝子に反論、生物にとっての重要課題は、動的平衡を保つシステムを細胞分裂を通して次々に伝えること。 人間は、長寿を望むなら複雑なシステムは諦めなければいけない。 高等動物に組み込まれた自殺装置、細胞のプログラム死、アポトーシス、怖い。 超長寿人間は、肺を新システムに変えなければいけないためもはや人間でない。 最後の章が怖い。
2017/05/19
がんぞ
「長生きは健康に悪い」。ガンとかアルツハイマーとか、寿命阻害要因が高齢にはいっぱい出てくる。デジタル機器に人格を移転させでもしない限り120歳を超えることは不可能なようだ。子孫への愛情もそこに生じるのかも知れない。生物として性的成熟期の三倍とすれば60年が寿命、だがヒトは心臓の鼓動が1億回を超える唯一の種。「救い」としてはいかなる権力者でも自らの寿命を延ばすことはできない、ことか。家族関係が希薄な現代でも肉親の死は寿命を意識させるきっかけになる。介護に疲れ果てて親の死を喜ぶことにならない子は幸福である。
2015/12/24
かずら
いのちの発生から、寿命がどのようにできたのかを解説する本。タイトルから想像される「人間はどのくらいまで生きられるのか」という話は後半にしかありません。寿命が存在しない生物バクテリアや生命の進化とともに「寿命」が発生していったという部分は興味深く読めました。しかし、人間に関する話の少なさにやはりタイトル詐欺のような気がして腑に落ちない気もします。最後の結論も無理やり取ってつけたような印象があって、なくてもよかったのではないかと思いました。
2014/04/30
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