去年はいい年になるだろう
去年はいい年になるだろう / 感想・レビュー
とら
星雲賞受賞作。山本さんにとっては悲願だったんでしょうね(笑)なんとなく選考委員の同情みたいな所はあるかも。でも獲ってもおかしくなかったと思う。未来の自分から書いた小説が送られてきて、自分の気持ちがそのまま書いてあって恥ずかしい!って言っていたけど、それよりよっぽどこの作品の方が赤裸々に書いてある様な気が(笑)フィクションなのはもちろんだけど、実在する人物普通に出てくるから何が何だか!未来からアンドロイドが来る、ってだけでここまで広げられたのはやはり力量だろう。他の山本さんの本も読みたくなった。宣伝しすぎw
2013/01/06
chiru
未来からやってきたアンドロイドの目的は『人間を災厄から未然に守ること』。 主人公の生きる、あらゆる時間軸に介入し『未来の情報』と引き換えに干渉するSF構造が受け入れずらかったです。 アンドロイドのOSに『人間を傷つけてはいけない』と組み込む、アンドロイドを信用しきれない未来人。 裏付けも保証もないのに人を信用する、不合理な行動原理をもつ不完全な人間。 両者の間の埋まらない溝は、実際のA.I業界でもSF業界でもずっと追求し続けるテーマかも。 メッセージはいいけど、相性が合わない作家さんでした。★2
2018/05/19
りんご
2001年。24世紀からアンドロイドがやってきて、世界中の武力を制圧。「我々はヒトと信頼関係を結びたい。戦争、テロを無くしたい。」とオーバーなテクノロジーを見せつけつつ笑顔で迫ってくる。主人公のSF小説家、山本弘のところにもアンドロイドが訪れる。曰く、世界中で選ばれた120万人の元に、こんな感じでアンドロイドが個人的に交流を持つためにやってくるんだと。分岐した未来、2029年の山本弘が2001年の本人にメッセージをくれる。そうか、その分岐ではまだお元気なのですね、とちょっと泣いちゃった。
2024/05/10
yumiDON
ある日突然現れて、アメリカの同時多発テロを防いだ“ガーディアン”と名乗るアンドロイドの集団。人間を守るため、人間を死の危機から救う為に時をのぼってきた、という彼ら。救世主に見えたガーディアン達だが…。歴史の改変というテーマを真っ向から扱った物語。完璧すぎる慈愛の情をもったアンドロイド達と人間との行き違いなども絡めて書かれてあり、AIを描くのが上手いなあ、と思った。面白いし読みやすくて一気読みでした。
2015/09/21
hundredpink
この物語は破綻している。だが具体的どこがどう破綻してるかは指摘させない著者の圧倒的筆力に感服。
2015/03/20
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