後白河上皇 「絵巻物」の力で武士に勝った帝 (PHP新書)
後白河上皇 「絵巻物」の力で武士に勝った帝 (PHP新書) / 感想・レビュー
こぽぞう☆
後白河上皇がどんな人だったのか?とゆーのは幾多の本に書かれていることで、ここでもなんだか変な着地だった。ただ後白河上皇があのような人物でなければ、現代の天皇制もなかったかも。一方、絵巻物の復元、解説はとても面白かった。絵巻物が美術館などでだーっと横長に展示してある物しか知らないと、繰りながら見ていくワクワク感がない。漫画のページをめくらずに、並べてあるのを見るような?あちこちで知る平安時代の絵巻物の多くが後白河上皇の発注によるものだということもこの本で知った。
2016/05/05
のら
絵巻物のデジタル復元専門家である著者独特の視点で書かれた本。後白河が非人(遊芸者、下級僧侶、元犯罪者、貧困層、病人)の情報網を持っていたという発想はなかった。素晴らしい。当時は江戸期の非人と異なり差別の対象ではなく、穢れを祓う役目を司っていたらしい。だけど「スパイ系情報網ではなく庶民を理解する程度のもので庶民の人気を掴んだ」との辺りから、えー、そんなんで頼朝に勝てるの? と疑問がつきまとう。前半が面白かったので着地が残念。図解たっぷり後白河コレクション本にした方が良かったのでは。
2015/12/31
脳疣沼
面白かったけど、資料が少ないがゆえになんとでも言えるってだけだった。こういう人格の人だった、というのは分かりようがない。最後のニーチェがなんたらかんたらはイラナイ。
2013/12/08
Stella
後白河上皇の「異形の王権」を、「今様狂い」や絵巻物プロデューサーとしての視点から見る。ボストン美術館展で「吉備大臣入唐絵巻」などの絵巻物を見た後なので、いろいろと腑に落ちた。 網野善彦先生は後白河上皇を中心に語った本ってあったかな。
2012/06/06
あおぎりさんでりあー
デジタル復元師である著者ならではの視点から「今様ぐるい」と称された後白河の生涯を軸に当時の人々の生活が分かりやすく説明されており山川の図録を見ながら楽しく読めました。今までとは一味違う後白河の人物像解釈は賛否両論ありそうですが、それを差し引いても小説のように手軽に読めるので日本史好きの方にはおすすめです。
2015/11/23
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