いそぶえ
いそぶえ / 感想・レビュー
Lara
かなりのめり込んで読み耽った。海女、野井山孝子と、宮司▪武雄の恋愛成就をひたすら願った前半。それが叶わぬこととなり、同級生▪いが栗の農家へ嫁ぐが、世間体に惑わされたか?フク、孝子、武雄、節子、いが栗、皆、本音を言い合って生きて来なかったのか。フク「海のもんと陸のもんは、一緒になれんわな」孝子と美福ちゃんの今後の幸せを、祈らずにおられません。
2023/06/06
タックン
高度成長期の三重志摩で海女を代々やる少女の成長期。 過酷な境遇ながらありのままに運命を受け入れる少女の姿が清々しい。前半(いそぶえ)の題名通りに海女の生活を描いてて読みやすくよかったけど、後半のかなわない恋の話はちょっと・・・・・。恋の結末も始めからバレバレだし。無二の親友と同じ人を好きになるって辛いなあ。海女の話を題材には(あまちゃん)効果かなあ?やっぱ谷村さんは(海猫)が最高傑作・・・・また再読したいな。
2014/10/23
ゆみねこ
伊勢志摩の安乗と言う集落で海女の家に生まれた孝子。幼くして母を亡くし、大海女と呼ばれた祖母に育てられる。叶わぬ恋に悩み、女性の地位が低い封建的な時代に懸命に生きた姿が潔い。谷村さんと言えば北海道が舞台というイメージなので、とても新鮮な感じがしました。力作、お勧めします。
2015/03/07
AICHAN
図書館本。「いそぶえ」とは、海女が海面に浮上したとき息継ぎのために響かせる口笛のような音のことである。松本清張の小説でこの“いそぶえ”を吹くのはどこそこの海女と決まっていると書いてあった。この小説の舞台は三重県の志摩。志摩の海女もいそぶえを吹くのだろう。分厚い本だが、もっともっと読み進めたいとページをめくる手が止まらなかった。しかし文庫本でなく重い単行本を借りてしまったので、寝床で横になって読むには重すぎ、何日かに分けて読むしかなかった。主人公の数奇さに少し涙した。ドラマ化を望む。
2019/09/05
らむり
三重県志摩半島が舞台の恋愛・成長小説。面白かった。厭わしい許婚(武雄)がいる節子、武雄と両想いの孝子、孝子に片想いの新助。節子と孝子と新助は高校時代の親友。色んな人間模様にゾクゾク。いが栗君、切ないわぁ。
2014/09/21
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