どうせ死ぬのになぜ生きるのか (PHP新書)
どうせ死ぬのになぜ生きるのか (PHP新書) / 感想・レビュー
ナマアタタカイカタタタキキ
表題のような難問に対して、精神科医である著者はどのように答えるのか興味があって手に取ったが、そこはあまり深掘りせず、入門レベルでの行や瞑想、方便についてとても丁寧に解説している。それがまた実に実践的で分かりやすく、思いがけず良い本に巡り合えたと感じた。言語での“説明”は体験を縮小再生産させる⇒なので、自分がこれまで想像したこと・予想したことがないような体験ができるように、その仕組みや効果について知らないまま、ただやってみる⇒結果として“言葉で説明できる限界”を超えたものが得られる…行や瞑想以外にも、→
2021/07/02
harass
シニズムの極地な表題に惹かれ、レビュから表題と内容のズレは分かっていたが借りる。精神科医である著者は独学で仏教を学び、心の平穏を得るために仏教の考え方や実践してきた「修行」を紹介する新書。最近流行りのマインドフルネスに似ている印象があるが著者独自の見解があるようだ。現象学など哲学のトピックと絡ませていて、いろいろ感心した。修行といっても、一日数分の瞑想や「行」などのコツなど。ざっと読み飛ばしてしまったが使うための仏教を焼き直しし紹介している。良書。
2017/11/11
とろこ
精神科医である著者は、10歳の時、千葉真一主演の映画『海底大戦争』を観て、人は「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」という疑問を持った。彼はその疑問にずっと蓋をしていたが、精神科医として、患者に生きることを勧めながら、「人はどうせ死ぬ」という思いを抱えていることにジレンマを覚えた。そんな彼を救ってくれたのは仏教だった。タイトルにある疑問に対する明確な答えは書かれていない。が、仏教における思想を生活の中で実践していくことで、心の平穏を取り戻せる、という考え。それを突き詰めれば、或いは、答えが分かるのかも知れない。
2018/05/21
starbro
精神科医の書いた仏教を通じた人生の指南書。内容も解りやすく直ぐに実践できるものが多いですが、タイトルのアンサーはやはり簡単ではないということでしょうか?個人的には人類の命を繋いでいくためだと思っています。平成27年1月締めの1冊でした。
2015/01/31
ネギっ子gen
あの名越先生による仏教心理学講座。サブカルに強い精神科医と思っていたら、高野山大学客員教授で、仏教にも造詣が深いのですね。仏教と言うと、つい道元・親鸞・日蓮などの鎌倉新仏教を想起しますが、先生の推奨は、その一時代前の平安仏教。その時代の仏教心理学となると、「唯識」とか「阿頼耶識」とか、小難しい空理空論――と怖れを抱くが、そこは名越先生ですから、心配無用。 あの穏やかな話口調を想わせる、仏教に縁なき衆生でも、明瞭に分かるように、やさしく噛んで含めるように書いてあります。特に、「座禅」に挫折した方は良いかも。
2019/08/21
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