文系の壁 理系の対話で人間社会をとらえ直す (PHP新書)
文系の壁 理系の対話で人間社会をとらえ直す (PHP新書) / 感想・レビュー
やすらぎ
人は見たいものしか見ないものである。そこに山がある。山はあるが山に何があるのかを見ていない。少しよそ見をすることが人生の楽しみ方である。今は頭が煮詰まる時代。仕事とは我慢することであるが、自らの思考するまで閉ざす必要はない。早く帰りやりたいことをやる。いつ役に立つのかわからないが夢中になればいい。人は自ら変わることしかできない。他者からの強制は拒む。その感情に気づき固辞せずに柔軟な視野をもつことで視界は明るくなる。差異と同一性。養老孟司さんと理系といわれる方との対話本。この世界は理解できないからこそ尊い。
2023/09/09
Aya Murakami
図書館本 理系の人は文系の人や考え方をどうみているのか?ということが分かる対談本。文系のわからないは合意する、あるいは思考の放棄みたいです。文系にはなかなか痛いところをついてくる内容だと思っています。 最近の学問は文系と理系との区分よりも実験派かフィールドワーク派かで別れるそうです。これまた初耳の意見でした。
2021/03/21
佐島楓
森先生が養老先生と対談なさっている! と思い購入させていただいたけれど、ほかのお三方のお話も面白く、興味深く読んだ。カテゴリとしてはバリバリ文系の私ですが、理解できないところは特になく、むしろ本当の学問分野は容易に二分できないよね、という思いを改めて強くした。
2015/09/20
いたろう
養老先生と理系出身者の対談集。自分が文系なので、理系の人が文系をどう見ているか、文系と理系の思考の違いに興味があったが、文系理系談義は、言葉で解決しようとするのが文系、論理を構築しようとするのが理系等、最初の森博嗣さんとの話で若干出てくるのみ。後の理科系の話は難しくてよく解らない。文系の壁とは、文系には到底超えられない理系の壁か。文系の人の多くが言う「わからない」は、「わからないから、もういい」=「わかっているけど賛成できない」だというが、ここでの理系談義は、わからない=「よく理解できないけど別にいいや」
2015/07/30
ドナルド@灯れ松明の火
安易に文系・理系と分類するのは、日本固有?の良くないところだが、この本では、対談によってその違いが明らかにされる。「前提の吟味をしない日本の文系」という言葉には深く同意した。ネットワークと細胞の膜の話「すべての細胞は細胞から生じる」というウィルヒョーの主張は、ドーキンスの遺伝子が個体を乗り物と扱う主張と真逆で興味深かった。STAP細胞事件を追いかけ何故このような事態に至ったのかを著した須田さんとの対談もあり実験で陥りやすい罠も知ることができた。お薦め
2015/10/01
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