山本周五郎で生きる悦びを知る (PHP新書)
山本周五郎で生きる悦びを知る (PHP新書) / 感想・レビュー
シュラフ
山本周五郎の作品は、「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味は分からない」というゲーテの名言そのも。我々の人生には納得できないことが多くある。私の場合も理不尽な会社の人事に苦しんで、すべての仕事を投げ出しそうになったことがある。そんな辛い時期を救ってくれたのが山本周五郎の作品。頑張っても報われないかもしれないが、人生を投げ出すなよ、きっといつかは日の目を見るときが来るはずだと、そんなささやきに励まされた。いま若い奴らを見ると、同じようにもがき苦しんでいる奴がいる。自棄になるなよ、と見守りたい。
2018/02/04
nbhd
「季節のない街」を読んで、山本周五郎の得体の知れなさに興味を持って、手に取った。福田和也さんって、勢いのある保守系の論壇人だった気がするのだが、この本は作品解説+伝記+紀行のまったりしたもの。【引用】「このノートを小説として再現しながら、作中の人物のひとりひとりに、私は限りない愛着となつかしさを感ずる。この人たちはかつて私の身近に生きていたのだ。かれらの笑い声や、嘆きや怒りや、啜り泣く声が、いまふたたび私のところに帰ってきたのである。それを歪曲することなく、できるだけあったままに私は写し取ってゆきたい」。
2024/07/23
ペンギン伊予守
福田先生久しぶりの新刊を読んでみたら、凄みが増していました。
2016/04/29
マウンテンゴリラ
権力を求め、それにすがって生きたほとんどの人間が、他人にとっての糧となるものを残さずに死んでいったのに対し、反権力、反権威に生きた山本周五郎が、書物を通じて他人の糧として残したものが、いかに大きいものであったか。本書を読んで先ず気付いたことはこの事であった。権力と、人間の器量や他者への影響力とは、本来全く無関係、やや誇張気味に言うと、むしろ相反関係にあるようにも感じられる。本書に掲げられる小説の中で、個人的に未読の「青べか物語」、「柳橋物語」、そして、既読ではあるが、記憶の彼方に遠くなってしまった→(2)
2016/07/02
GO-FEET
★★★☆
2016/05/27
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