白村江(はくそんこう)
白村江(はくそんこう) / 感想・レビュー
さつき
白村江の戦いに向けた政争、抗争を百済の王子豊璋を主人公に描く。古代朝鮮の国々については初めて知る事ばかりで新鮮でした。高句麗、新羅、百済三国のせめぎ合いが血腥く、悲運の王子豊璋の人生はとてもドラマティック!通常は、百済を助け半島での権益を求めて出兵したとされる日本が全く別の思惑で動いていたという筋立てには唸らされます。読み応えある大作ですが、ヒロイン祚栄の描き方だけが微妙で納得がいきません。気丈で頭の良い彼女があんな道を選ぶなんて想像できず、取ってつけたように感じました。
2023/04/15
NAO
やがて自らが王となったとき大陸での己が権威を高めるために、百済の王子を助けた蘇我入鹿。その百済王子は大化の改新後、葛城王子(中大兄皇子)に庇護された。葛城王子は、大化の改新後新たな政治体制を築こうとするもののなかなか思うようにいかず、唐の属国になるという屈辱を呑んでまで半島を征することに力を入れる新羅王と、ある密約を交わす。白村江の戦いの裏側に隠された、政治事情。確かに中大兄皇子も中臣鎌足も非情な政治家だが、この設定にはかなり無理があるのでは。敗者が負け惜しみの言い訳をしているようだ。
2021/01/26
信兵衛
律令制国家の確立を目指す葛城皇子の策謀が、その後の朝鮮半島3国(新羅・百済・高句麗)間の争いに関わるという展開になるのですから、朝鮮と日本の関りの深さに圧倒される思いでした。
2018/05/16
Tadashi Tanohata
高句麗、新羅、百済、唐そして倭国、各国の思惑が入り乱れた東アジアの激動期、聖徳太子の「半島不介入」や「滅亡の歴史」など現代に影響した歴史を堪能。倭人のルーツにも触れながら読了。スケールと情報量に圧倒。それなのにごめんなさい。「ルビのない難字、適当に読んでましたー!」
2023/01/20
kyami
大和朝廷のフィナーレに差し掛かる大化改新と白村江の戦いを描いた壮大な歴史小説。史実にフィクションを織り交ぜながら描かれていてとても興味深く読んだ。なかなかこれだけ白村江に焦点を絞った物語はない。ただ正直最後の陰謀と種明かしのやり取りは練り過ぎてなんか興醒めてしまった。火曜サスペンスの最後みたい。。。残念!!
2020/07/10
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