明治維新で変わらなかった日本の核心 (PHP新書)
明治維新で変わらなかった日本の核心 (PHP新書) / 感想・レビュー
tamami
2017年刊。元都知事で作家の猪瀬直樹さんと日本史家の磯田道史さんの対談本。古代から近世にかけての社会経済の仕組み、殊に江戸時代のそれに多くの頁を割いて通史的に見る中で、経済における江戸の先進性や現代にまで通じる日本的制度の特質を論じている。お二人によって、歴史の常識を覆す意外な知が次々に披露され、固定された見方の転換を図られる。参勤交代に象徴される江戸の情報ネットワークや流通のすごさ、百姓たちが持っていた企業家精神等、そのよってきたる所を探ることで、これからの日本のあり方にも資するものがありはしないか。
2022/04/20
てつ
猪瀬さんの上から目線が気になって仕方なかった。とはいえ博識の二人の、読んでて楽しい対談本です。
2017/12/17
楽
17年。徳洲会事件の絡みで猪瀬が都知事を辞職したのが13年。猪瀬の単著なら読まなかったが、磯田と対談しても話があまり噛み合っていない■急に「ですます」調が「である」調に変わるのも違和感。校正はどうしたのだろう■通史の大切さ。現在につながる重要な論点を含んでいるのだが頭に残らない■それにしても本書によれば、江戸時代の農民の多くは商工業も手掛けるが税がほとんどないのでパラダイスのような印象を受ける。西日本の一部だけのようだが■荻原重秀に関する本は読んだがもっと評価されてよい。相対的に新井白石の評価は下げるべき
2022/12/03
ムカルナス
日本史を出来事ではなく社会の仕組みという視点で俯瞰する。戦国時代が終わり暇なアーミーとなった江戸幕府は反逆を起こさせないよう生産性は悪いが、年功序列型、世襲主義で忠誠心のみが大事なサラリーマン的武士社会を作り、そのマイナス面が現代に引き継がれ停滞の原因になっている。しかし能力のない者でも平穏に生きれる社会とも言え、また江戸時代は非効率を補完するべく下級層からも優秀な人材を引き上げる実力主義や有能な人材に関する情報ネットワークが機能していた。歴史は視点を変えると まだまだ学べることが多いと思った本だった。
2021/11/12
№9
好著!
2020/02/05
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