京都の壁 (京都しあわせ倶楽部)
京都の壁 (京都しあわせ倶楽部) / 感想・レビュー
もんらっしぇ
京都本ももう10冊目。高名な「壁」シリーズの類書?「京都の壁」をあの養老孟司さんが解説しているのに興味を惹かれ手に。京都を語る記述がメインですが博識故か関係のない話題も多く結構自由気ままに話が展開するエッセイ本。「京都国際マンガミュージアム」の初代館長として月いちで京都を訪れておられた様子。鎌倉ご出身の養老氏、他地域との視点の違いがあって面白いわけですが、タイトルからは京都の「よそ者嫌い」を糾弾する内容かと思ったらさにあらず結構京都を持ち上げている?解剖学者としての視点や幅広い知見から語られている印象。
2021/05/16
けぴ
京都国際漫画ミュージアム、養老孟司さんが館長を務めているとは知りませんでした。[高橋留美子作品が好きだそう]その縁から著者なりの京都考察がなされる。京都の壁という書名ですが内容は京都びいき。学生や教育関係者に優しく、自然や文化も豊か。一見御断りは人と人のつながりを大切にする表れだそうです。京都の良さが強調されている。東大を定年前に辞めた養老さん、東京でよっぽどイヤなことがあったのかも?と勘ぐりたくなりました。
2019/02/03
あきぽん
日本語は視覚優位の表意文字(漢字)と聴覚優位の表音文字(仮名)が混ざっているので、日本でマンガが発達するのは当然、の部分には目から鱗。だけど京都論としてはありきたりだった。京都はムラが高度に発達した町というけれど、京都に住む伯母は「京都も近所付き合いが希薄になり、全国どこでも手に入るようになったので土産物に苦労する」と言う。私は京都に住んだことがないので言える立場ではないけれど。あと、読メユーザーとしては嬉しい記述があった。「文化は受け手の感受性の良さが作り出す。」え、そんなこと周知!?
2017/09/30
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
著名な養老孟司氏が自らの体験に基づいて、京都の有り様や特徴を分析し、それらを良いものとして評価しているエッセイである。著者は、京都御所や京都が城壁で囲まれていないことを指し、京都には物理的な壁はないが、その分「心の壁」が存在すると指摘する。そして、そのあたりのことと絡めつつ京言葉の特徴などを分析している。その分析は私はなるほどと感じるところがあった。しかし、京都の地理的特徴や文化について買いかぶりすぎと感じるほどに褒めちぎっているところには、関西人として若干違和感を抱いた。
2019/08/03
活字スキー
『バカの壁』が400万部以上売れてしまったり、「なんとなく周囲に迎合してばかりではなく、自分なりに感じて考えて行動する事が大切」という講演の後に「で、具体的にどうすりゃいーんスか?」と無邪気な質問を浴びせられてきた養老センセの立場からすれば大衆相手に頑張って難しい話をしてもしゃーないわ、とお考えになるのも仕方がないのかも。非京都人による「いけずな京都あるある」は控えめで、全体の2/3くらいまでは正直かなり退屈だったのだが……。
2017/07/25
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