教養としての「フランス史」の読み方
教養としての「フランス史」の読み方 / 感想・レビュー
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先日『赤と黒』を読んで、フランス史の本を読みたくなり手に取った一冊。この手のタイトルの本は出回り過ぎていてどうかとも思ったが、ケルト民族から第五共和政までの二千年の歴史の流れを、西洋史全体を絡め分かりやすく纏めた良い本だった。その中でもフランス革命~ナポレオン~第二帝政辺りは特に劇的で読み応えがある。ロマン派、ベルエポックとパリが芸術の都になった流れ、ナチスドイツからのパリ解放など興味ある所も抑えられ、昔勉強した世界史を振り返る事ができた。改めて戦いと議論を繰り返し近代を切り開いてきた国なのだなと感じた。
2021/04/24
trazom
今までの自分のフランス史の理解が如何に浅薄であったかを思い知らされる。フランスの政治と宗教が、ピピンの寄進、ボローニャ政教協約、ナントの勅令、ナポレオンのコンコルダートなどの紆余曲折を経て、今日のライシテに到ったことを納得する。ナポレオン三世の業績を「開発独裁」だとする見解も面白い。そして何より「フランス革命とは、民衆が自由を求めて王政打倒を図ったのではなく、むしろ、安定した生活を保障してくれる立憲王政を目指して動いたもの」ということすらわかってなかった自分が恥ずかしくなる。充実した満腹感が残るいい本だ。
2019/11/11
ルチル
私の🇫🇷像と概ね一致していて安心。どうしていつもあんなに徹底抗戦なのかとか…。🇬🇧のEU離脱の際、🇫🇷人は「だから、ドゴールの言うことをきいておけばよかったのに」と言っていたそうだが、ドゴールは死ぬまで🇬🇧のEEC参加を認めなかったらしい。🇫🇷が、あれだけ戦争を繰り返した🇩🇪よりも🇬🇧のほうが信用できなかった、というのもわかる気がする。🇬🇧は自分たちをヨーロッパだと思ってないし(日本人がアジアを意識してないのと似てる)。🇬🇧との違いも含め、🇫🇷を少し見直した本だった
2023/10/08
ピオリーヌ
ガリアの言語は二種類に大別され、北部のオイル語、南部のオック語がある。クローヴィス以後中心言語はオイル語だが、オック語も受け継がれていき、20世紀初めまではオック語を日常的に用いる人々もいたという。新鮮な知識は心地よい。近代国家は「属地原理」に基づく世界であるが、中世ヨーロッパは人が土地でなく人に属す「属人原理」に基づく世界であり、主従関係も「属人原理」に基づく。フランスがイギリスとの植民地争いに勝てなかった理由は、十分に軍隊を動かす前提となる国力、経済力、金融財政システムの差。
2021/05/19
futabakouji2
フランスについて知っているようで知らなかったので読んだ。いや~わかりやすいので何度も読みたい本でした。他のフランス史のの本と併読したい。
2020/01/31
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