「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ! 日本国・不安の研究
「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ! 日本国・不安の研究 / 感想・レビュー
ワッピー
高齢化社会への容赦ない進展とともに、財政問題が重くのしかかる現状で、問題点の洗い出しと取りうる対策をまとめた提言集。増大一方の医療費の削減方法、行き詰まっている介護産業の脱出口、既得権益的な調剤関連医療費、そして人生100年時代における年金の位置づけとシルバー人材センターの問題点を取り上げる。根本的な打開策が取れないのは、官僚組織の複雑性・硬直性と、より圧力の高い勢力への対策が優先されて、納税者・直接受益者である国民は後回しにしているからと思われても仕方がないのでは?また、自分でももっと関心を持たねば。
2020/09/29
yam6
利権グループ徳洲会から五千万円貰って1年で都知事を辞めた猪瀬直樹が医療介護の話するのかよ、と思ったが中身は至極真っ当な内容だ。道路公団を攻撃した時の数字による鋭さが少し戻っている。医療、介護に関しては他でもよく指摘される内容だが、調剤薬局の問題はあまり公になっていないのでもう少し詳しく書いてもらいたかった。年金の項目は別の著作にすべきだろう。そしてタイトルはもっと直截的に「医療、介護、薬局の研究」とかにしないと「不安の研究」じゃあ何のことだか分からない。それにしても彼は大汗・カバンの印象が悪すぎたな。
2020/02/23
tamami
「京都アニメーション」スタジオ放火事件について、「本来やるべき施策を講じていたなら事前に防ぐことができた」と確信する著者の言葉が重い。高齢化だから、福祉に重点が置かれているからと、「医療・介護産業」の予算はうなぎ登りである。その内実を我々は具体的にどれだけ理解しているのだろう。貴重な予算が、本当に必要な施策にどれだけ振り分けられているか、もっと関心をもって見ていくことが求められている。福祉についての様々なアイデアが現実の「政治」の前に頓挫してしまがちな中、具体的な提案の幾つかに希望を見出す想いがする。
2020/01/07
清水勇
元都知事猪瀬氏の著書。コロナ禍で民間医療資源を政治家も医師会も全く活用できない情け無い現実を目の当たりにしてこの本を手に取る。医療・介護の問題、特に制度上の問題を数値でわかりやすく解説。国民医療費と介護費は55兆円で従事者600万人と、自動車関連出荷額55兆円、雇用550万人に規模が同じだが、効率は低い。介護漬け、障害者医療、薬局調剤医療費等、政治家が官僚任せにしてしまったことで無駄金を積み上げている実態に戦慄を覚えた。ショックだったのは病院の27倍も請求できる薬局の調剤料。チェック機能の強化しかない。
2021/03/14
ikedajack
猪瀬直樹氏が、東京都知事時代の経験を踏まえて、今日本の抱える医療、介護、年金問題を分かりやすく述べています。杓子定規な日本の官僚の対応等、問題は根深い事がよくわかりました。
2020/03/17
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