凪に溺れる
凪に溺れる / 感想・レビュー
鉄之助
実は、主人公・霧野十太(きりのじゅった)は1年前に死んでいた! 意表を突くプロローグから一気に心を鷲づかみされてしまった。上手い構成。終始タイトルが気になる。凪なのに溺れる…? とりあえず衣食住には困ってないが、漠然とした不安に覆われている現代を象徴、か? 共感するフレーズが、あちこちに散らばっていた。「すべてのものは繫がるべくして繫がっている」。命のバトンを受け継ぎながら、音楽が救いになったり、ひっかかったり。「この曲は、いつも途方もないものを連れてくる」この本の凄みを、一人でも多くの人に語りたい。
2024/04/22
starbro
王様のブランチのBOOKコーナーで紹介されたので読みました。青羽 悠、初読です。本書は、音楽青春恋愛譚の秀作でした。今年のBEST20候補、次回の本屋大賞にノミネートされるのではないでしょうか? the noise of tideの『凪に溺れる』を聴いてみたい🎶 『黒い海は凪ぎ ラジオはノイズ吐き出し 予感はまだまやかし 波打つ繰り返し 遠雷はどこかへ去り 君のワンピースも波 心をたぶらかし 吐き切れない苛立ち いつまでも途上に立ち 祈りを繰り返し 水平線の先 また出会う二人』🎶
2020/07/23
ウッディ
偶然耳にした一曲に癒され、人生の一歩を踏み出す勇気をもらえる時がある。父のギターで自分の音楽を追い求める霧野十太、彼の「凪に溺れる」を聴いて、アスリートへの道を決意した夏佳とライターを志した光莉、居場所のない自分を十太に救われた聖来と彼とともに夢を追ったバンドメンバー。そして、この曲に癒され、勇気をもらった多くの人達の胸の中に、彼の生きた証が残っている。初読みの作家さんだったが、若い感性で綴られる文章は瑞々しく、音楽の持つ強い力を感じさせる一冊でした。できるなら「凪に溺れる」を自分も聴いてみたいと思った。
2020/12/25
おくちゃん🍎柳緑花紅
作者16才の時の「星に願いを、そして手を。」を読んだ時に感じた瑞々しさ。そして4年後の今作、鳥肌がたった。『すべてのものは繋がるべくして繋がっている』その通りだと思う。新年1冊目私は青羽悠さんの作品に溺れた。水平線の先を見つめる。そこにきっと十太がいる。約束の場所。
2021/01/04
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
90/100点 作者のデビューから2作目となる作品ですが、デビュー作でも感じた瑞々しく清々しい文章そのままに人物設定や物語構成に格段の成長を感じられる素晴らしい青春物語となっていた。「凪に溺れる」という曲を作った霧野十太という青年の14歳から27歳までの生きざまと、その彼と関わり夢と理想そして現実とのはざまで藻掻く若い6人の人生を描いた物語。自分の中では今年読んだ中でベスト5に入る作品、オススメです。全編にギターの音が流れていたなぁ。
2020/08/12
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