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特攻隊員と大刀洗飛行場 四人の証言 (PHP新書)

特攻隊員と大刀洗飛行場 四人の証言 (PHP新書)

特攻隊員と大刀洗飛行場 四人の証言 (PHP新書)

作家
安部龍太郎
出版社
PHP研究所
発売日
2021-07-16
ISBN
9784569849836
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特攻隊員と大刀洗飛行場 四人の証言 (PHP新書) / 感想・レビュー

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Isamash

作家安倍龍太郎2021年発行著作。特攻隊に関わった4名へのインタビューを中心の著作。飛行機パイロットだけでなく陸軍飛行機の設計士、エンジン整備士、整備工も含み、技術的なことを聴けているのがとてもユニーク・貴重で、新鮮味も覚えた。B29に対抗しようとした震電の開発のことなどが書かれているが、工場を守るための防護壁の非実用的な設計エピソードが興味深かった。全く役に立たない強度だったらしいが、やらないよりマシと推し進められたとか。現在にも続く不合理性。フィリピン陥落前に真っ先に脱出したエリート参謀エピソードも。

2024/06/01

りんだりん

大刀洗飛行場は実は私の実家のすぐ近くにあった。今でも所々に当時の門や壕のあとがある。この本は、著者が講演のあと立ち寄った大刀洗平和記念館で出会った様々な資料がその後も頭を離れず、記念館の副館長のはからいで当時の飛行兵や整備工として大刀洗飛行場に関わられた4人の方々にインタビューをもとに構成されている。著者がやがて上梓する予定の「不死鳥の翼」の取材も兼ねて行われたもので、当時の戦況、大刀洗飛行場の状況、4人の方々の置かれた立場や想いが痛いほど伝わってくる。故郷の歴史を学べた一冊であった。★3

2022/02/26

筑紫の國造

こうした「戦争体験者」の証言を得ることは今後極めて難しくなるだろう。本書は、小説家の安部龍太郎氏が自身と縁のある太刀洗飛行場に関係した、四人の戦争経験者の回想をまとめたものになっており、さすがベテラン作家、と唸らせる構成となっている。本書の経験者の話はいずれも興味深いものであるが、最も印象に残ったのは最後の生還した特攻隊員の方の話だ。自分が特攻隊員となり、家族や祖国を守るはずだったのに、その家族が自分のいない間に亡くなってしまった件は、あまりにも悲しい。「等身大の戦争体験」が描かれた、貴重な一冊。

2021/08/16

くりぞう

毎年8月になると夏休みという感覚の中で、日本が敗戦した月だという認識を持つようになった。年をとるにつれ、その意識が強くなった。この本は戦時中に東洋一といわれた大刀洗飛行場で時を過ごした方々の戦争の記憶が語られている。読み終わって感じたことは、我々は絶対に戦争の歴史を風化させてはいけないということだ。激動の時代を生き抜いた方々のインタビューはどれも重みがある。そして戦争の中を生き抜いた方々にはどこか力強さというものを感じてしまうのだ。高齢になっても明瞭な語りをされているのも納得してしまう。

2022/07/31

高木正雄

大刀洗の記念館に一度行ったことがある。そこでさくら弾のことを知りインターネットで調べてみたが、実際に関与された方の証言は興味深かった。大刀洗空襲や特攻隊についてもインターネットや書籍で情報を得ることはできる。しかし、当時の方がどう関与し、どう感じたのか。もう亡くなられた方もいるというからその証言は大変貴重だろう。豊前市の方は台湾から復員できたが、ご家族は土砂崩れで全員亡くなられていたという。運命とは残酷だ

2023/11/19

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