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月と日の后

月と日の后

月と日の后

作家
冲方丁
出版社
PHP研究所
発売日
2021-09-17
ISBN
9784569850092
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月と日の后 / 感想・レビュー

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鉄之助

私にとっては『天地明察』以来の、冲方丁の感動作だった。13歳で天皇の子を産むことを強いられた藤原彰子(しょうし)の壮大な成長の物語。紫式部が6か月間の出仕拒否をした辺りから俄然、面白くて読むのが止まらなかった。それにしても、宮中での火災の、なんと頻繁なことか。7年で4度も天皇が焼け出されるなんて! 驚いた。それも怨念による放火(?)。宮殿に渦巻く恨みつらみを乗りこえて、「天下第一の母」となった彰子をもっと知りたくなった。

2024/11/10

starbro

冲方 丁は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。藤原道長の栄華の時代、藤原道長の娘・彰子の物語、女性作家のテーマのような気もしますが、正に、“平安のゴッドマザー”でした。 しかし紫式部の愚痴を読むとは思いませんでした(笑) https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-85009-2

2021/12/14

ちょろこ

ラストが胸打つ一冊。興味はあれどちょっとした知識しかなかったこの時代の内部関係。見事に彰子の人生を、心情を、願ってやまなかった想いを描き届けてくれた物語だった。12歳で入内し、怨念を捨て、願うのは"和"。ただ誰よりも和を願う彰子に天は平和な時間さえも許さない。別れ、一族の圧力、怨念、火災…なんて生きづらくままならない時代なことか…。朧げな人物像でしかなかった彰子が凛とした姿で心に入り込んできた。そしてその都度炙り出される哀しみも。ラストシーンが秀逸。輝き纏ったかのような彰子の姿、想いが涙と共に胸を打つ。

2022/01/02

のぶ

平安絵巻にどっぷり浸れた物語だった。藤原道長の娘、彰子の生涯を宮廷の人物と絡ませて描いた作品。彰子はわずか十二歳で一条天皇の后となる。最初の夜に男児誕生の報を聞く。産んだのは、藤原定子。やがて定子が亡くなり、彰子は親となり子供を育てる事となる。三つの章に分かれているが、最初の章では宮中内の権力闘争が主に描かれている。二章では一条天皇の実子を生んだ彰子が次第に影響力を増していく姿が語られる。全体を通し多くの人が死ぬ小説だった。そんな中で六代の天皇を見届け、87歳の天寿を全うした彰子の強さが印象に残った。

2021/10/04

美紀ちゃん

藤原彰子についての歴史小説。12歳でお嫁にいった彰子(しょうし)は何もわからず色々とモヤモヤだった。国母の詮子と話をする場面は想像以上に迫力があった。国の事、人間関係など聞きたい事もちゃんと聞けた。彰子にとって学びが多かった。紫式部とのシーンも印象的で楽しかった。引きこもりの紫式部に苛立つ彰子。信頼しあえて良かった。火事は恐ろしい。何より恐ろしいのは意図的に火をつけようとする人の心。彰子はとても長生きして世の中が平和であるようにと陰の支えとなり生きぬいた。健康って大事だと思った。

2021/11/09

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