おはようおかえり
おはようおかえり / 感想・レビュー
旅するランナー
女が強い家系。そんな大阪の和菓子屋「凍滝」の娘姉妹に起こる、不思議なファンタジー。おはようよみがえり。時代は変わっても、女性の強さは変わらない。2018年の大阪府北部地震や台風が出てきます。家族におくる、おはようおかえり、いい言葉です。
2022/09/06
紅はこべ
熱烈な夢も恋も際立つ個性も持ち合わせない、最近の近藤さんの作品に多いタイプのヒロイン。差別問題も扱っているが、突っ込みは深くなかった。大阪の人って、阪神淡路を経験しているのに、何か天災に関しては呑気なのかな。近藤さんって大阪出身だったんだ。あまり関西色強くないんで、出身を意識したことなかった。榊さんの愛憎半ばの思い。怖いな。
2022/02/06
いつでも母さん
正直、どうした近藤さん!って感じ。大阪で70年続く和菓子屋「凍滝」の二人の娘。家業修行中の長女にエジプトに留学したい自由奔放な次女。その次女に曾祖母の魂が乗り移り妙な依頼が降りかかる顛末。曾祖母の心残りにしたってこれはどうなんだろ・・祖母と母の存在が薄い。姉妹の心の揺れももどかしい。そこに地震だ。出した手紙と出さなかっただろうもう1通の手紙に、明治女の心意気を感じつつも違和感がある。何となくスッキリしないのは私だけだろうか?
2021/12/03
まちゃ
大阪で70年続く小さな和菓子屋「凍滝(いてたき)」の二人姉妹、小梅とつぐみ。家業を継ぐため進学せず、和菓子作りに励む小梅と、大学で演劇にのめり込みながら、エジプトに留学したいと言う、自由奔放なつぐみ。ある日、曾祖母(榊:さかき)がつぐみに乗り移り、過去にしたためた手紙の回収を依頼する。日常の謎系の物語。家族の心の機微など描かれて爽やかな読後感。「おはようおかえり」は「お早う、お帰り」。風情のある見送りの言葉だなぁ。
2022/01/03
とろとろ
表題は京都弁のあの柔らか口調の微笑み変えし的言い回しの事なのかしら。老舗の和菓子屋の跡継ぎの姉と、自分を生きることに懸命で実家の事など考えない妹。その妹に時々高祖母の魂が憑依するという。その高祖母の願いを叶えて、肝心なときに憑依しないようにと奔走する姉、という設定になるのかしらね。妻が浮気の夫に宛てた手紙とか、さすが著者と思わせる部分はあったが、結論としては、外でいろんなことがあっても、落ち着くところに落ち着いて、ちゃんと無事に帰ってきてくれ、という表題どおりに落ち着いちゃった、というオチなのかしら。
2022/02/20
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