朝星夜星
朝星夜星 / 感想・レビュー
starbro
朝井 まかては、新作中心に読んでいる作家です。幕末~明治にかけての日本初の洋食屋の波乱万丈の物語、読み応えがありました。「朝星夜星」というタイトルに象徴されるほど、凄い努力があったんでしょうね。 https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-85403-8
2023/04/18
いつでも母さん
ほぅ‥朝井まかてさん上手し。激動の時代を二人三脚で洋食屋を営んだ草野丈吉と妻・ゆきの生涯。大河ドラマか朝ドラか!な感じの長編小説。最後は少し急いだ感じがするものの家族とか人間模様、外交までもが織り交ぜてあり長崎や大阪を舞台に、ゆきに気持が乗り移りつつ面白く読んだ。それにしても松竹梅には参っちゃうよ、丈吉のばか!私に妾は務まらないし、御寮人さんも無理だわ。ゆきさん、凄いよ。
2023/03/23
のり
幕末から明治への激動の世で、長崎から大阪へと居を移し、西洋料理の先駆者となった「草野丈吉」と支えた妻の「ゆき」。読み書きは苦手だが、数カ国語を駆使し、西洋人の心と舌を魅了し続けた。職人として日々研鑽を積み、日本の要職に就くものからの信も厚かった。多少、女遊びも盛んな気もあったが…とにかく妥協する事はないし、審美眼も優れていたのだろう。行動力もハンパないし。それにしても逝くのが早すぎた。残された者も、丈吉の教えを守り、それを超えた。時代とはいえばそれまでだが、大切な人を次々と見送った「ゆき」は辛かっただろう
2023/07/13
のぶ
今回朝井さんが作品のモデルに選んだのは、日本で初めて洋食屋を開いた草野丈吉だった。丈吉は、18歳で出島の仲買人に雇われ、ボーイ、コック見習いになる。21歳のときにオランダ総領事の専属料理人になり、3年後にゆきと結婚する。物語はゆきの視点で描かれている。やがて長崎で「自由亭」という店を開店し、欧米人を中心に顧客を迎え入れる。他にも陸奥宗光、後藤象二郎、岩崎弥太郎らが贔屓にしていた。その後大阪にも進出する。長い話だが、朝井さんの筆は今回も安定していて、丈吉や周辺の人物描写は的確で安心して読んでいられた。
2023/02/24
はにこ
日本が諸外国に遅れをとっていた明治期、洋食とホテルを手掛けた丈吉。そしてそれを支えたゆき。教科書で習うことは無いが、こんな立派な志のある人々がいたからこそ今の日本があるのだとしみじみ思う。金儲けより、より最新でモダンなものを広げる。そんなことに身も心も捧げる人が現代に居るだろうか。その強い志に胸を打たれた。この時代は今よりも命が儚いとも思った。
2023/05/18
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