星をつなぐ手 桜風堂ものがたり (PHP文芸文庫)
星をつなぐ手 桜風堂ものがたり (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
さてさて
『お客様を待たせるわけにはいかない。発売日には、本が欲しい』。『忘れられた観光地』と揶揄される『桜野町』という『山間』にあるが故に、『配本に恵まれない書店』で働く月原一整。この作品ではそんな彼が働く『桜風堂書店』を舞台に、『リアル書店』の大切さを考えさせられる物語が描かれていました。前作と色濃く繋がる続編であるこの作品。村山早紀さんの理念どおりに、悪人が一切登場しない安心感に裏付けされたこの作品。げみさんが描かれた素晴らしい表紙と共に、『リアル書店』で働く人たちの心に触れることのできる、そんな作品でした。
2024/05/18
SJW
「桜風堂ものがたり」の続編にして完結編。「四月の魚」を盛り上げてヒット作にした一整が桜野町の桜風堂書店を託されてからの話。一整の仲間たちや桜風堂書店に関わる人達の話と、皆が協力して共同のサイン会を開催する。実際の話も取り入れて書店の大変さややりがい、協力して盛り上げることの素晴らしさを感じさせてくれる。
2021/03/13
のんき
毱乃の言葉が好き。「近所に本がたくさん並んでる場所があることが大切だと思うのよ。子どもがひとりで歩いて行ける場所か、自転車で行ける程度の近所に本屋さんがあってほしいの。買えさえすればいいっていうのとは違うの。ネットだと、そのときほしい本だけを買うことになるでしょう?そうじゃなくて、買う予定じゃなかった本と、子どもが出会う場所が欲しいのよ」最近どんどん近くの小さな本屋さんがなくなってしまって残念です。今まで知らなかった本がたくさん並んでて、未知の本にワクワクして、買った本を読むのが楽しみだったのになあ
2021/01/06
mayu
桜風堂ものがたり続編。一整が任された町の小さな書店には、人気の新刊は配本されないし、版元からは相手にしてもらえない。でも、もといた銀河堂書店オーナーから思いもかけぬ提案があったり、著者や本を愛する人たちから救いの手が差し伸べられたり。今回も優しく、このお店とお店に集う仲間が愛おしくなるようなお話だった。私も、町の書店の空気感とか、実際に手に取ってまだ知らない作家さんや本との出会いにわくわくする時間が好き。幼い頃に通った書店は残念ながらもうないけど、こういう町の書店が長く続いてほしいと思う。
2021/03/17
佐島楓
こんな時代だからこそ、いろんなかたに読んでいただきたい作品。読了後、しみじみと泣いてしまった。だれかの幸せを祈る心を忘れずにいたい。
2020/11/18
感想・レビューをもっと見る