「悪知恵」のすすめ (PHP文庫)
「悪知恵」のすすめ (PHP文庫) / 感想・レビュー
徒花
うーん、イマイチ。ラ・フォンテーヌの寓話をモチーフにしたエッセー集なんだけど、実用書っぽいタイトルを付けたのがそもそも間違いではないか。実際は寓話をベースにエッセイストが現代日本の政治やら日本人の生活習慣やらを皮肉ったエッセイで、あからさまや嫌味や毒味ばかりで読んでいてムカムカする(それがフランスっぽいと考えてそうしているのかもしれない)。寓意を著者自らが捻じ曲げて勝手に解釈しているものも多く、だれがなんのために読むのか能くわからない本だった
2020/12/30
かわうそ
賢さとは最終的な損得勘定をシビアに判断することができることであると言える。そのためにはフランス人のように人は皆悪人になり得るという性悪説で行動しするべきだという。要するに人を簡単に信用したら痛い目を見るということだ。というのも相手への思いやりというのは相手が誠意がある人物であれば報われるが相手が誠意のない人物であればこちらが大損することは間違いないからだ。結論から言うと、寓話のキツネのように用心深く疑い深くなることがこの混沌とした世の中を平穏に生き抜くために必要であるといえよう。
2021/12/11
かわうそ
★★★★☆「ブヨはライオンに勝ったが、調子に乗りすぎたために自滅した。成功が失敗の原因。よくあることである。」「他人に起こった奇跡のような儲け話が自分にも起こらないはずはないと考えるのだ。自分との条件の違いというものを一切無視して…」本当に儲かる儲け話をそもそも人に話すメリットはない。ただ、甘い口説き文句に誘われて自らを破滅の道に進ませせることは愚かなことである。結局、愚かな者と賢者の最大の違いは先のことをどれだけ考えられるかに尽きる
2021/09/08
ごへいもち
以前お気に入りだった笑いがあまり感じられない。著者もあまりバカなことをしなくなったからかな
2020/11/04
しゅー
★★ラ・フォンテーヌの『寓話』を読みたくなった。本書の最初の方はいい感じなんである。同じ寓話について日本人とフランス人で受け止め方が違うと言う話など興味深い。しかし途中からは著者の時事問題に対する言いっ放しの放談会が始まってしまう。そういう無責任な立場からの言いたい放題こそ、寓話で戒められていることでは?と皮肉な考えが頭をよぎる。
2023/08/14
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