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火花散る おいち不思議がたり (PHP文芸文庫)

火花散る おいち不思議がたり (PHP文芸文庫)

火花散る おいち不思議がたり (PHP文芸文庫)

作家
あさのあつこ
出版社
PHP研究所
発売日
2021-05-12
ISBN
9784569901237
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火花散る おいち不思議がたり (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー

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ぶち

とうとうおいちが自分の人生の目標をしっかりと定めた巻となりました。女のための医者になりたい。女のための診療所を設けたい。それは、『闇医者おゑん秘録帖』のおゑんにソックリです。違っているのは、闇医者ではなく、正統な医者という点でしょうか。作者のあさのあつこさんには、"女のための医者"を描くことで、女の覚悟や悲哀、切ない生き様、女の幸せを露わにしていくというテーマを追求しているように思えます。それにしても、権力の座についている男たちのバカさ加減は、江戸時代も現代もまったく変っていませんね。嫌になります。

2022/09/06

pohcho

シリーズ第四弾。自分だけに聞こえる「声」に導かれ、身重の女性に出会ったおいちは赤ちゃんをとりあげる。出産後にいなくなった女性は何者かに殺されてしまい・・。武家のお家騒動的な話。健やかな赤ちゃんの可愛らしさにほっこりしつつ、武士の身勝手さにはあきれてしまった。そして、おいちは女のための医者になると決意。最後、子供のいないおうたさんの、おいちへの思いにグッときた。

2023/01/12

Koji Eguchi

どうやら初あさの。★★★。江戸の人情ものは元々好きなジャンルだが、とにかくおうたと松庵の掛け合いが可笑しい。貧しい人たちが互いに助け合って生きていくのは素晴らしいが、井戸端会議はときに個人情報のダダ漏れに繋がる恐れがある。家を守るために兄の許嫁とお腹の赤ちゃんを殺害しようとする小十郎の苦悩も解らなくはない。結局権力に踊らされ人の命を奪う輩が許せない。超能力を持つおいちは滝代の想いを汲み取り、命懸けで十助を守ろうとする。自分の孫の顔を思い浮かべて無事なる成長を願うしかない。HEで終わってほんとによかった。

2023/07/12

優希

女が突然現れ、赤子を産み落とすことから不穏さを感じました。聞こえるはずのない女の声が聞こえるおいち。岡っ引きの仙五郎と協力し、謎に挑んでいくのが危険に自ら飛び込むおいちの性格をよく表していると思いました。おいちは自分なりの力で赤子を守ろうとしているのですね。女性は強いのです。

2024/01/13

dr2006

江戸の世、父である医師松庵のもとで経験を積み女性医師を目指す、おいち不思議がたりの第4弾。おいちは人の良悪の意識がイメージとして見え、それが不思議がたりの所以である。見える事で思い悩む反面、診療にも活かされている。経済的困窮や身分制度等、時代故の厳しい環境にありながら、真摯に医療に向き合うおいちに心打たれる。新吉を伴い往診先からの復路、軒下で産気づき苦しむお滝を保護する。難くも男の子を産むがその子を残し姿をくらました。超えてはいけない一線を心得ること。一方で貫き通さなければならない嘘がこの世にはある。

2022/06/19

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