いやし 〈医療〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)
いやし 〈医療〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
いつでも母さん
いやし・・と細谷正充さんが編まれた5話。5人の女性作家陣の紡ぐいろんな医者がいた。『いやし』感じ方はそれぞれなのだろうなぁ。既読の作品もあったが何度読んでも良いものは好い。知野みさきさん初読みだったが面白く読んだ。続きも気になるキャラ揃いが好みだったが、なんと書き下ろし。
2021/09/05
みっちゃん
いやし。医師が主役や重要な役割を果たす短編が5つ。さすが名だたる手練れ揃い。シリーズ中の一編でも、ぎゅぎゅっと濃縮された人間模様、流れるような筆致、細やかな描写。特に興味深い、と思ったのはお初の作家、知野みさきさんの『仇持ち』仇を持つとは?のそそられるタイトルからのキャラの立った登場人物、劇的な展開、そして胸のすく読後感。これはシリーズを追ってみたい、と思ったら何と単発の書き下ろし。シリーズとして是非、読んでみたいものだ。
2022/02/27
Ikutan
医療小説は色々読んでいるけれど、時代小説では初めて。江戸時代でも、病気や怪我、出産や虫歯の治療など、医療を必要とする場面はあったわけで。勿論、現在とは技術も内容も全く違っていて、その辺りも興味津々。そんな江戸時代の医療現場をめぐる五つの物語は、どのお話も短いながら読み応えがあって面白かった。特に印象に残ったのは、あさのさんの『春の夢』と知野さんの『仇持ち』。どちらも主人公の女性の境遇が辛くて、どうなることかと心配したが、ラストに救われた。〆の宮部さんはやっぱり流石ですね。いつの時代も『毒と薬は紙一重』。
2022/07/20
ゆみねこ
5人の女性作家による「医療」時代小説集。朝井まかてさん、あさのあつこさんは既読だけど何度読んでも面白い。宮部みゆきさんは回向院の茂七親分シリーズから。知野みさきさんは初読み、「仇持ち」面白かった!他の作品も読んでみたい。
2022/04/30
真理そら
未読作品の中に知野みさきさんの書下ろしが混じっていたのでそれを目当てに購入。この石川凛モノもシリーズ化するのかな、凛が住み込んでいる医者が栗山千歳。似た名前の女優さんのせいできりっとした美人を思い浮かべてしまうが四十路の男医者だ。「寿の毒(宮部みゆき)」は回向院の茂七モノだけれど、再読してもやっぱりおきちさんがかわいそうに思えて仕方がない。「辻屋」に人生台無しにされたんだから気も強くなるし我も張るよね、この先ずっと辻屋に祟ってもアタシが許すと思う読者である。
2021/08/13
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