ふしぎ<霊験>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)
ふしぎ<霊験>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
いつでも母さん
〈霊験〉とあると怖いのか?と思ってしまうが大丈夫。怖いのはちょっとだけ(怖いんか~い)生きてる人がずっと怖いよね。西條さんのは記憶にある。宮部さんのこの話は忘れていたので気持ちも新た。廣嶋さんはお初の作家さんだったが読ませる。久しぶりの宮本さんと泉さんも良かった。特に『紙の声』は好み。今回も編者の細谷雅充さんナイスだった。
2021/10/04
ゆみきーにゃ
宮本さん初読み。どのお話も面白くて一気読み。宮本さんの紙の声、シリーズ化してほしかったな。
2021/10/10
タイ子
5人の女性作家によるアンソロジー。既読もあるが、泉ゆたかさん、宮本紀子さんの書き下ろしは嬉しい。タイトル通り、江戸のふしぎ語りを怖くはないけど可愛かったり、切なかったり、じんわりさせたり、どれも良作。中でも宮本さんの「紙の声」は泣けた。父親が急死、家を助けるため紙屑問屋に奉公にあがった太一が店で見た不思議な光景。読んでるうちに涙が流れるような人情噺。解説の細谷さんも書いてる通りこれはシリーズ化して欲しい作品。西條さんのイオとおーすけの話は久しぶりに読んだがやっぱイオが可愛い。彼岸と此岸を繋ぐ人間が愛しい。
2021/09/26
Ikutan
時代小説アンソロジー。のっけの西條さんは、人の罪を映す不思議な目を持った『睦月童』のお話。息子の央介は盗人"風神"の一味なのか。泉さんの『潮の屋敷』は夫に対して疑心暗鬼に陥った後妻さんのお話。どちらも読後感良好。廣嶋さんの『紅葉の下で風解かれ』はシリーズ物の妖怪ファンタジー。一番面白かったのは、宮本さんの『紙の声』。文字や絵から死者の霊を呼び出す紙屑問屋の主人のお話。これはもっと読んでみたいな。〆は宮部さん。別のアンソロジーの『ひだる神』が良かったので、期待して読んだら、今回は捕物帖で一味違っていました。
2022/05/24
sin
あやかしも在るがもののけほどでなく、まさにふしぎの物語集…西條・童の瞳に人は己れの過ちを知り罪を償う姿に誠を見た。泉・本当の事は知ろうとしなければわからない、恐れは己れの心の壁と知る。廣嶋・あやかしの語る悲しい業の物語、少女が守ろうとしたのは家か我が子か拙い想いは禍と化す。宮本・江戸はリデュース、リユース、リサイクルの時代でこれは紙の物語、父を亡くした少年は主人を喪うまいと力をつくしやがて父と和解し夢を叶える。宮部・岡っ引きは襲われた拝み屋の少年を気遣い下手人を探る過程で出会した事件との関連にたどり着く…
2022/01/27
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