鎌倉燃ゆ 歴史小説傑作選 (PHP文芸文庫)
鎌倉燃ゆ 歴史小説傑作選 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
とん大西
まさに大河とカップリング抜群の鎌倉なアンソロジー。小栗義時、獅童景時、菅田義経が躍る躍る躍る。書き手が違えば人物描写も変わってくる。谷津さんが描く巻き込まれタイプの義時は大河の小栗くんそのもの。安部龍太郎さんが描く実朝目線の義時は老獪な謀略の化身。七編の物語には政子も畠山も大姫も登場して鎌倉オールスターズの様相。でもって、やはり全てに共通してるのは「道理は強者による」。いつ寝首を掻かれるかわからない、将軍でさえ絶対ではない…。鎌倉は怖いトコロです。とくに権力欲の虜になった時政パパは常にどす黒さ全開で。
2022/05/31
まちゃ
2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に因んだアンソロジー。鎌倉幕府草創期から、二代将軍頼家の時代の宿老ら十三人による合議制、三代将軍実朝の暗殺、承久の乱まで。鎌倉武士の生き様を描いた歴史小説傑作選。源頼朝と義経の関係、将軍・頼朝、頼家、実朝と御家人衆の関係など知らないことが多く、ためになりました。有意義な読書体験でした。
2021/10/10
けやき
書き下ろし4作品を含む7作品の鎌倉幕府草創期のアンソロジー。北条義時が主人公の谷津矢車さんの「水草の言い条」と大姫と静御前が主人公の秋山香乃さんの「蝸牛」がお気に入り。
2021/09/18
baba
鎌倉時代の人物に焦点をあてたアンソロジー。義時、大姫と静、蘇我兄弟、梶原景時、頼家、畠山重忠、実朝らのそれぞれの苦悩と己の思いが伝わり読み応えのある短編でした。
2021/11/15
森の三時
2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の描く時代と重なるため予習として読みました。鎌倉幕府創成期から源氏の滅亡、北条氏が権力を掌握していく過程が描いた、様々な作家の作品群、秀作ぞろいでした。ライバルに謀叛の疑いを掛け次々と退けていく北条氏(政子を含む)のやり方に大義もなく、ここまでくると怖さを感じます。北条氏のことが苦手な理由を改めて再確認しました。それに比べて、陥れられ滅ぼされた側の武士たちの人物像や、最期に見せる矜持に心を動かされました。登場人物の違った面や相応の理由を知り、評価が変わりました。
2022/01/25
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