小説の読み方 (PHP文芸文庫)
小説の読み方 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
「本の読み方」に続いて、それを実践に移すということでご自分の作品を含め11の小説の読み方をー若い人向けなのでしょうーわかりやすく丁寧に書かれています。選ばれている作品は私が殆ど読んでない作品(唯一読んでる作品は「罪と罰」)だったので参考にはなりましたが、古井由吉を除いてはあまり手が伸びないような感じがしました。それよりも第1部の「小説を読むための準備」の「小説を「四つの質問」から考えてみる」というところが新鮮に感じられました。
2023/06/22
Sato19601027
「本の読み方 スロー・リーディングの実戦」に続く第2弾。小説を読む際、読者は登場人物に感情移入して、喜怒哀楽を共感したいと思っている。作者はテーマを持って小説を書き、世界観や思想を登場人物の言動を通して体現し、読者の知りたいという欲求に、主語と述語の組み合わせで応えていく。読書は複雑な世の中を生きる人間の心の奥底を圧縮して、濃密な時間とともに体験させてくれるツールだ。実践編では、様々なタイプの小説を切り出し、作者の技法を解説している。早く小説の世界に浸りたくなった。作者の技を堪能し、感情を揺さぶられたい。
2023/09/13
優希
小説家という小説のプロによる小説の読み方のレクチャー本でした。流石に日々文章に親しんでいるだけあり、その読み方は深いものがあります。自分もただ読むだけではなく、作品の持つ魅力を掬い上げながら読書を楽しんでいきたいと思いました。
2023/01/06
いっち
最近小説を読んでない。芥川賞候補作を読もうと思い、本書を手に取った。小説を読むリハビリ。小説の読み方より、書き方に役立った。著者は、ドストエフスキーが後世に多大な影響を及ぼしているのは、「どの作品にもアポリア(解決できない難題)が含まれているから」と言う。解決できない問題だからこそ、文学で取り組む。確かに理にかなっている。解決できない問題に取り組んでいる小説を読めば、何かヒントがあるかもしれない。だからドストエフスキーは読まれる。小説を書く際は、解決できない難題をネタにするところから始めるのが良さそうだ。
2023/12/27
みこ
タイトルから受ける印象程の押しつけがましさもなく、むしろ読書メーターでも念頭に入れているのか誰もがネットなどに感想を書けるようになったからこその小説の味わい方の一つを提示してくれる。「恋空」なんかも取り上げるんだと思ったら繰り返し作品の評価は二の次でと言ってたり、解説文章そのものの熱量が低かったり、それに対するかのように続く「罪と罰」(この並び自体が恣意的なものを感じる)では熱量の高い文章で解説を展開してたりと間接的にディスってた印象。
2022/06/23
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