風神雷神 Juppiter,Aeolus(ユピテル アイオロス)上 (PHP文芸文庫)
風神雷神 Juppiter,Aeolus(ユピテル アイオロス)上 (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
yamatoshiuruhashi
小学校の頃から教科書で見てきた風神雷神図。その絵と何やら面白そうな話の紹介を随分前に新聞で読んだのだが文庫化を待つことにして心の中の積読本。先日、新聞広告で文庫化を知りやっと手にする。現代の学芸員の風神雷神図に関わる解説に代わる話をプロローグとして一気に信長の時代へ遡る。まるで映画のような場面の入れ替わりもさることながら、登場人物の描写が活き活きとして惹きつけられる。少年の俵屋宗達、天正遣欧使節の四人、魔王のような信長。そしてパードレたち。詳細不明の宗達を主人公に据えたことで自由な構想が広がっていく。→
2023/01/22
tulip
時は戦国時代。織田信長に才能を認められた俵屋宗達少年が、何と天正遣欧使節と共にローマへ向かう。港から港へ季節風が吹く時季を待つ「風待ち」をしながらの船旅は気が遠くなりそうだが、天下人の命を受けて少年たちの旅が始まる。原田マハさんお得意の美術ものフィクションにわくわくしながら下巻へ。
2023/05/31
エドワード
京都国立博物館の学芸員、望月彩の元へ、マカオから訪問者が来る。おおっ!原田マハさんの美術物語、お馴染みの序章だ。序章で語られる「証拠が無い限り、無かったとは言えない」が印象的だ。俵屋宗達。安土桃山時代の絵師。生没年不詳。彼の足跡はほとんど不明。では、こんな物語はいかがであろう。京の都の扇屋の倅、伊三郎は、織田信長と出会い、狩野永徳と共に洛中洛外図を描く。洛中洛外図の贈り先はローマ教皇だ。伊三郎は信長より俵屋宗達の名を賜り、天正遣欧使節と共に船出する。嘘だろう?いや、無かった証拠はどこにも無い。下巻へ続く。
2023/06/26
佐島楓
感想は下巻にて。
2023/01/25
みこ
俵屋宗達に系傾倒する学芸員に持ち込まれた遣欧少年使節団に関する奇妙な話。一体何の関係が?「暗幕のゲルニカ」などこれまでのマハ作品のように現代と過去を行き来しながら謎を解明するかと思いきや現代パートはエピローグのみで美術ミステリーというよりはがっつり歴史小説といった感じ。物語の視点が原マルティノから俵屋宗達に移ったり(途中で狩野永徳の回想を挟む)章立てを整えることもなく時系列が脈絡もなく前後したりと少々読みにくさを感じるが、話の展開の面白さに惹かれながら下巻へ続く。
2023/03/30
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