東天の獅子 天の巻・嘉納流柔術 第一巻 (フタバノベルス)
東天の獅子 天の巻・嘉納流柔術 第一巻 (フタバノベルス) / 感想・レビュー
おかむー
夢枕獏が描く「講道館柔道」の物語。史料をもとにどちらかといえば淡々とした文体で描かれている…のにこの熱さ、ワクワク感は夢枕獏ならでは。『たいへんよくできました』。プロレスラー・木村政彦に始まる序章、そこから遡り嘉納治五郎の生い立ちから講道館の黎明期、四天王が揃うまでが第一巻となる。講道館柔道の創始者という程度のおぼろげな知識しかなかった嘉納治五郎、そして講道館四天王が実に生き活きと魅力的。短い言葉でとつとつとやり取りする会話からも、そこに籠る熱さが滲み出ているのも作者ならでは。次巻がとても楽しみです。
2015/03/22
パブロ
マンガのように面白い! おっと失礼、言い間違えました。マンガのようにするする読めて、しかも面白い! 特に私はプロレスや格闘技好きってわけじゃないんです。でも、巧みな導入でグイグイと物語に惹き込まれている自分がいる…。知っているようで知らなかった柔道の歴史。柔道の創始者・嘉納治五郎とその弟子たちがけれん味たっぷりに描かれていて、面白くないわけがない! しかし、スゴいね。前書きで作者が「この本の読者に嫉妬する」って言うなんて。自画自賛!? 全然違う! だって作者も前のめりになるくらい面白いもん。
2012/05/22
長老みさわ/dutch
講道館創始者の嘉納治五郎始め日本の格闘技を創ってきた男たちを描いた大長編物語の1巻目。嘉納治五郎が講道館を起こして後に四天王と呼ばれる面々が弟子入りするまでが本著の大筋。 獏さんが描く技の数々を読むと『柔道一直線』の「地獄車」などが実は実在したのではないかと思えてしまう。 1巻目最後を飾る鬼横山こと横山作次郎と嘉納治五郎の対決とその対決後の二人やり取りが素晴らしい。
2012/01/24
hiroy
問答無用作家、獏先生の最新刊。完結巻が出るまで我慢していた。嘉納治五郎の講道館立ち上げ前後と、柔道の行く末について描いてゆくのかな?格闘描写に定評のある獏先生のこと、ともすれば退屈な伝記小説に陥ってしまいそうなものを、伸びきった靱帯をみりみりぷちぷちと、ぐじって破壊してしまうものだから痛さで目が離せない。なんといってもスゴイのは前書きで、これからまっさらな状態で読める読者が羨ましいとのこと。己の作品へのあふれる自信と己のファンへの熱き信頼。そうまで言われちゃ楽しまないわけにはいかないね。はい喜んで!!
2012/02/29
くーぱー
序章の木村政彦VSグレーシーの闘いから、もうイッキに貘さんの世界に引き込まれる。そして本編に入ると今度は嘉納治五郎の人間的魅力にメロメロになる。男が惚れる漢を描かせたら、やっぱり貘さんは当代きっての名手だとつくづく思う。
2012/05/23
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