火車
火車 / 感想・レビュー
美登利
甥から頼まれて婚約者を探す休職中の刑事。その女性に隠された真実にたどり着くまで、長かった!実際には短期間なんだけど、長い時の流れを感じます。ページをめくる手が止まりませんが、如何せん長編なので休みながら読むしか無かったのですが。思わず唸ってしまいました。書かれたのが20年以上前とは言え、何の古さも感じさせません。携帯がまだ一般的でないから、そこがまた物語を複雑にしてるのだろうとは思います。不幸なのに、強かさを秘めた女性、とても印象に残るラストシーンでした。主人公と同じように彼女のことを知りたくなります。
2014/04/22
舟江
「ペテロの葬列」につぎ2冊目。 本作は23年前の作品ではあるが、あまり古さを感じさせなかった。 ただ字が細かくて難儀した。 内容は本格社会派とでも言った方が良いのだろう。 読み応えがあった。
2015/10/03
jnanatめくる
宮部みゆきさん初作品、まずは名作のこちらから。サラ金破産をめぐる殺人と数奇な運命の物語。家庭崩壊とローン棄民。そして子供にまで及ぶ取り立て屋。一人の女性として《幸せになりたかっただけだったのに》悪の根源とは、何なのか…。ミステリー初心者でもわかりやすいストーリー展開に背中がゾクゾク、一気に引き込まれる。ミステリーの域を超え、人間の深層心理を描いているラストシーンでは、この作品の奥深さが表現されていたと思う。
2015/06/17
きさらぎ
一人の行方不明者から、物証も死体もない殺人事件らしきものに発展していく。多重債務者になる人は派手なイメージがあるが、実際は真面目で気の小さい几帳面な人たちが多いそうだ。自己破産もできず、嫌がらせを受け続ける生活に人はいったいどれだけ耐えられるのか。「ただ幸せになりたかっただけ」それだけなのに、両親も夫も財力も法も守ってくれない。守ることができないのなら捨てるしかない。すべての痕跡を消して。名前とは他人に呼ばれ認められることによって存在するものなのに、愛する人からも一生自分の名前を呼ばれないのは悲しい。
2017/10/03
ミーママ
図書館の本📚️ 他人の戸籍を乗っ取り生きていこうとした犯人。親の借金で夜逃げ。本当に辛く切ない人生。さすが宮部作品。一気読み‼️ 2022-36
2022/05/26
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