メドゥサ、鏡をごらん
メドゥサ、鏡をごらん / 感想・レビュー
chiru
謎が謎を呼ぶパズラー的な難解ミステリーorホラー👻 コンクリートに自らを沈め自殺した作家の謎。開始直後から謎の猛攻撃と、隅々まで行き届く伏線とヒントがゲーム的。謎を解き次の扉を開けるとまた次の扉が現れる🚪 読みにくい太明朝体、”メドゥーサを見た”と書かれた遺書、陰惨ないじめ事件。謎解きゲームに参加してるつもりで考えたら半分的中❕ 不憫なのは“信頼できない語り手”。時間のずれに混乱し、バーター疑惑に怯え、理不尽な真相に突き落とされてゲームオーバー。総括を『呪い』で締めるとは…呪怨なみの恐ろしさ💦 ★4
2020/07/20
みも
舞台には舞台の、映画には映画にしか表現し得ないものがあるように、小説もまた然り。本作は実験的かつ、小説の表現手法の可能性に挑んだ意欲的傑作と言えよう。著者の筆致の特質と言えるその葛藤や自問自答の諄さが、僕の感覚にフィットする。扉を捲ると直ぐに、ヨハネ黙示録が作品の大意とプロットの妙を示唆する。書体をあえて読み難い太明朝体を使う理由もやがて分かる。豊かなアイディアを盛り込みつつスリリングな筆致で迷宮へといざなう。僕は不安を膨張させ心をざわつかせる。前情報も予断も持つ事無く、まっさらな心持で読むのが望ましい。
2018/11/14
koguma
初読み作家さん。内容は...かなり不気味。自分が自分でなくなっていく感覚というか、そもそも自分という人間が存在していたのかどうかすら怪しくなっていく感覚。かなり危うい。読み手によって、色んな解釈ができるラストだし、終始心が不安でざわついて仕方なかった。でもこういう不思議な世界を堪能できてしまうのも小説の醍醐味で、素直に凄いなと思ってしまった。
2015/09/20
うさっち
1枚のメモを残し、自らをコンクリートで塗り固める異様な方法で自殺した恋人の父親。その死の真相を探る「わたし」の身の回りで次々と奇妙なことが起こる。ミステリだと思って読んでいたら記憶の食い違いが増え、だんだん「わたし」が誰だかわからなくなり、主人公と一緒に不安な気持ちのまま読了し、これはホラーなのだとやっとわかった。なんとも言えぬ怖さの残る作品でした。
2015/04/13
ボトム
風呂敷を広げている時はかなり面白い。ホラー小説として読んでいたので終始面白く読めていたのだがミステリーとして読んでいたら不満が残るかもしれない。
2018/09/02
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