天啓の器
天啓の器 / 感想・レビュー
佐倉
『虚無への供物』の作者はなぜ塔晶夫というペンネームを名乗ったのか?おそらくすべてがそこから出発している作品。天啓を得たのに書き始められない仲居の前に現れた父親を洞爺丸事件で失った濤晶夫青年の交流と真相を描くパート、現代で仲居の死は殺人だったのではないかと調査を進める天童パートが同時並行する。竹本健治『ウロボロスの基礎論』は未読なのでそれに対する言及が妥当なのか、そもそも作者を消そうと志向しているので笠井がどれを是としているのかも見え難いが、その過程に議論という形で行われる批評は読み応えがあって楽しかった。
2024/07/25
本木英朗
笠井潔の『天啓の器』については、俺は今までに5回読んでいたが、今回はちょっとねえ、という感じだ。それもすべて俺のせいなのであるが。欣然と輝き続けるアンチ・ミステリの雄編、中井英夫『虚無への供物』当初この作品は塔晶夫の名前で発表されていた。だがこの塔が、中井とは別に存在していたら……という話から始まるのだが、うーん。何だか途中からさっぱり分かんなくなってしまったよ。これはもうダメかなあ、うん。またいつか読みたいねえ。ちなみに今回は創元推理文庫版で読んだのだが、そっちは見当たらなかったので、こっちでね。
2020/05/08
h0z8じゅうたんの36.5cm
天啓とは? AIは天啓なのだろうか。 三大奇書を読み返してみよう。
2020/12/16
おふねやぎっちらこ
無駄な部分が多いが基本はよくできた話だと思う。メタフィクション部分はそぎ落として普通のミステリーとしたほうがいいのではないでしょうか?
2020/12/04
もぐもぐチョビたん
虚無への供物が既読じゃないとキビシイ(=^ェ^=)ミステリというものについて、小説について?哲学的な対談がやや読書を置いてきぼりにしている(笑)『ザ・ヒヌマ・マーダー』とある名前の人物が多すぎて途中からついていくのを諦めた(´・д・)」作者消失には成功したのかな。ファンなら一読。中井さんのファンはどうかな。
2014/09/04
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