ALONE TOGETHER
ALONE TOGETHER / 感想・レビュー
Nak34
なかなか興味深かった。性悪説。だから、本音を吐き出すと心が壊れる。人の心とは何なのかを考えさせられる。でも、もっと素直だと思う。偽りなく、心から慈しむ事ができるのが人でもある。「明察」の最後、ご夫婦の命日までもが同じではなかったか。そんな愛もある。
2010/09/11
だんたろう
静かに流れていく物語で、結局は誰も救われない。心の中身をそのままに表現すれば、人間関係なんてあっという間に破綻する。だから本音と建て前があって、そこを渡り歩きながら人は生きている。それが間違っているといわれたら、そんな正解は欲しくない。ただ、自分で折り合いがつけられないのなら、本能のままに表現してみることもありか。壁にぶつかってこそ、初めてわかることもあろう。そのときに、壁に当たったことを人のせいにせず、自分で受け入れられるかが大事なことだと思う。これに比べたら、本音と建て前の狭間を彷徨う方が楽だろう。
2011/12/06
りちゃ
何とも不思議な読後感。結論のでる話ではないので、若干モヤモヤ。作中の会話がとてもセンス良く、おしゃれ。相手の波長に合わせることのできる能力・・・。使い方次第?
2015/09/18
しろいるか
MISSING、MOMENTと読み、これが本多作品3作目。この作品にもまた、伊坂幸太郎っぽさと村上春樹っぽさを感じた。他人の波長と共鳴できるというなかなか面白い設定の話だが、展開がちょっとぬるいかな。結末のまとまり方はきれいで良かったです。
2009/02/03
はぁとまむ
著者の作品は初めて読んだ。ある「力」を持つ主人公柳瀬は、その力故「Alone・・・ひとり」で生きてきた。本書で起きたいくつかの事柄で、「力」とともにこれから生きることを受け入れた。「事件」は、きっと彼の力でしか解決しなかったろう。そう想えるほど今、人の気持ちは複雑だ。例えば通り魔事件を起こす中学生良二の抱えた深い想いは他のどんな力を以て誰が解けてやれるのだろう?文章表現は、多くの読後感にあったように、テンポよく親切で美しい。時代へのメッセージとともに、美しい文章もまた読んでみたいと思った。
2010/08/26
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