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十八の夏

十八の夏

十八の夏

作家
光原百合
出版社
双葉社
発売日
2002-08-01
ISBN
9784575234473
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十八の夏 / 感想・レビュー

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ぶんこ

花をモチーフとした4編の短編集。 花をモチーフとしたというのは後書きを読むまで気付きませんでした。 「ささやかな奇跡」がホノボノとしていて良かったです。 さくら書店を、高志さんと明日香さんと太郎君の3人家族となって盛り立ててくれるのだろうな。 他の3編は私にはイマイチでした。 悪くはないのですが、心に残るかというと無いかな。

2016/01/17

クリママ

表題作含む4編の短編集。「十八の夏」「ささやかな奇跡」は、男性の恋の物語だが、切れのある文章なのに情感があり、ひねりがあり、とても良かった。「兄貴の純情」は言葉遣いにわざとらしさを感じてしまい、残念。「イノセント・デイズ」は家族間の殺人事件で、かなり強烈。作者は推理小説作家で、この作品が本領発揮なのだろうか。20年前の作品集だが、全く存じ上げす、もう亡くなられていたこともここで知った。遅ればせながら、他の作品も読みたいと思う。

2022/10/27

あつひめ

美しい花が隠し持つ毒は、人が誰にも告げられないで一人心の奥底にしまい込んでいる思いに似ている。香りで呼びざまされる記憶。花の姿でその時にタイムスリップしてしまう思い・・・。植物の投げてくるメッセージみたいな気がした。さすがに・・・夾竹桃には驚きを隠せなかったけど・・・どこにでもある、どこでも強く生きられる逞しい植物だからこそ・・・希望を与えてくれる。その言葉を先に知っていたら・・・別の道が開けたかもしれない。おっちょこちょいでお人よしの兄貴の純情が心を和らげてくれました。

2010/11/05

瑪瑙(サードニックス)

4つあるお話のどれも【花】が登場します。「十八の夏」そういうことでしたか!と最後になってようやく事の真相が分かった。信也にとってはちょっと苦い経験。「ささやかな奇跡」話の流れから明日香さんの事情は想像できた。素敵な家族になれると思う。大家さん親娘もステキ。「兄貴の純情」お兄さんには申し訳ないけれども、笑わせて頂きました。「イノセント・デイズ」一番ミステリーらしいお話。人はそこまで残忍になれるのかと空恐ろしくなった。でも救いがあったのは浩介さん一家がとても温かった事。史香には幸せになってもらいたい。

2016/07/29

そうたそ

★★★★☆ ミステリをもって人間を描くというのは簡単なことじゃないだろう。かといって、人間の描けてないミステリが悪いかといえばそうではなく、それとそれとはまた別物なのだが。本書は人間を描くにあたってミステリという描き方が絶妙に作用している作品である。とはいっても、あくまで表向きには青春小説のようなストーリーであり、広義のミステリという程度なのだが、表題作などラストで違った光景が見えてくる辺り素晴らしい。次の二作は何となく気づけてしまうのだが非常に味わい深いストーリー。埋もれてしまうのが勿体ない傑作。

2016/06/21

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