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犬のうなじ

犬のうなじ

犬のうなじ

作家
野中ともそ
出版社
双葉社
発売日
2009-08-19
ISBN
9784575236729
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犬のうなじ / 感想・レビュー

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愛玉子

高層ビルに飛行機が衝突したあの日、失われたのは人命と建物だけではなかった。あまりにも大きすぎたあの事件は、その地に住んでいた人、ニュースをリアルタイムで見ていた人、直接被害に遭わなかった人たちからも、永遠に何かを損なってしまった。9.11以前に戻ることはもう出来ないかもしれないけれど、離れてしまった心が重なることもないかもしれないけれど、それでも、傷ついた街や人は緩やかに再生していく。希望は一本の細いロウソクにも似て、かすかだがとても優しく辺りを照らす。『天使のシンバル』が印象に残った。

2010/09/01

れんこ

9.11を軸にした穏やかな雰囲気の短編集。好きな本。

2016/09/30

nyanco

タイトルと扉絵に引きつけられたジャケ借り。家族、友人、知人を亡くしたという大きなダメージだけではなく生活の中の些細なことにまで9.11が人々のその後に関わっていく様を描いた短編集。『凧、つかむ』『天使のシンバル』この2作を読み、これは予想以上に良い本に巡り合ったと感じ、一気読みを勿体ないとさえ感じたのだが、他の作品はこの2作ほどには心に沁みなかった。読む人により、どの作品が心に寄り添うかは、読み手次第なのかもしれない。

2009/09/14

@かおり

『銀河を、木の葉のボートで』がセンター対策に使われてたから読みたくなったんだよなぁ、確か。現役からは2年が過ぎましたが。野中さん2作品目です、9.11同時多発テロ前後の人々の心の細かな揺れ動きを、日本・ニューヨークに住む日本人の視点からこんな風に描写できるのはやっぱり、ニューヨークに住む野中さんだからかなって思います。時間は経ったけど、思い出すと心に突き刺さるものがあります、忘れちゃいけないな。7作品全体を貫く"9.11"と、作品間でのちょっとしたつながりも面白い。

2014/05/24

きりを

9.11に遭遇した人、直接は関わらなかったけれど、それを契機に人生が変わった人。遠くに、近くに。亡くなった人々を意識のどこかに感じながら、緩やかに再生してゆく人々を描く。

2010/04/13

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