チョコレートの町
チョコレートの町 / 感想・レビュー
優希
チョコレートの匂いのする町、それが故郷というのが印象的でした。田舎が嫌で東京に出て行ったはずなのに、仕事上のトラブルで故郷に戻ることになった遼。田舎のほのぼのとした空気は自分に合わないと思っていた遼が、気がつけば故郷に馴染んでいる戸惑いが感じられます。昔からの関わりと東京での関わりが故郷への想いが変わっていったのでしょう。故郷を愛しているかなんて都会で暮らすことを考えると緩やかさが想像でき、くすぐったくなりました。居場所を悩んでも帰る場所があるのは幸せですね。チョコレートが迎えてくれるから。
2015/05/30
takaC
ドラマチックなイベントはなく、わずか一月半の間の話なのだけど、サクサク、スラスラ読めた。頑張りな、遼。
2012/01/26
ひめか*
初読み作家。期待してたより面白くなかった…長いかな。私は生まれた頃からずっと同じ所に住んでるから「故郷」という意識がない。地方出身者にはこの本勧めたいかも。帰れる場所があるって素敵なこと。主人公は男だから特に照れ臭さや見栄が強くて、素直に故郷好きとか言えなかったりするんじゃないかな。それでも東京に住んでたら、きっとチョコレートの香りのする故郷をふと思い出したりするんだと思う。「あんたらは、故郷を愛してるんじゃないのかよ?」この場面が印象的。思わず口から飛び出した言葉っていうけど、そんな言葉こそ本音だよね。
2014/11/22
ぶんこ
チョコレートの香りのする街って、どこなのでしょうか? 中部地方に本当に有るのか気になりました。 私もチョコが苦手なので、四六時中チョコの匂いがしたら逃げ出したかも。 早瀬君の家族がいいですね。 このゆるさ加減。 お父さんが退職して家に居ても、誰も気にしなさそうで、それって楽ですよね。 吉村さん、若槻さん、田村さんと、職場の仲間もカリカリしていなくて、職場の雰囲気がよいのは、お客さんにとっても何よりで、読後感が気持ち良いです。
2015/03/06
ゆみねこ
故郷が嫌いで高校卒業と同時に町を飛び出した「早瀬遼」。トラブルの後始末のためにいきなり実家のある町の支店に出向くことに。チョコレート工場のある地方都市の閉塞感、同級生たちの考え方、両親や兄との関わり。1ヶ月半を過ごして東京(川崎)へ戻ることになった遼の胸の中は、きっと今までとは違った故郷への思いでいっぱいだったでしょうね。上司、吉村さんが素敵でした。大きな事件が起きるわけではないけれど、読み心地の良い1冊です。
2014/03/21
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