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氷の秒針

氷の秒針

氷の秒針

作家
大門剛明
出版社
双葉社
発売日
2012-06-20
ISBN
9784575237733
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氷の秒針 / 感想・レビュー

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しんたろー

大門さんが得意とする社会派ミステリは…犯罪被害者遺族の苦悩と殺人刑の時効撤廃が組み合わさった重いテーマなので軽快ではないが、愛情について考えさせられる物語だった。主人公・俊介が大人になり切れず理性的な行動が出来ないもどかしさに共感できたし、刑事・平田が年頃の娘への接し方が判らず悩むのも共感した。雑誌連載作品らしく、章末ごとに謎が深まる構成は先が気になるし、登場人物たちの関係と葛藤がドラマを盛り上げていた。『完全無罪』や『確信犯』のドキドキ感はないが、最終章はハラハラしたし、渋い社会派作品として評価できる。

2020/04/15

いつでも母さん

人間の体も人生もアナログ時計の様だな・・と読後の正直な気持ち。『時効』等、無いが良い。どんなに時が流れても被害者家族の時間は止まったままに違いない。加害者とて逃げ切れても忘れることなどないだろう。狭い土地、狭い人間関係での犯罪はキツなぁ。『嫉妬』一番可哀想な感情か・・薫の心に報いることにはならなかったが、妻・美穂子が俊介に残した者は大きい希望となり私の心もちょっと落ち着いた気がした。登場人物が人間臭いのが良いな。時計の事、修理技能士の事を学んだ。新しいものが全て良いとは言えないと感じた私は古い女なり。

2016/02/01

モルク

殺人の時効が撤廃されたことで、それが適用される人とそれ以前の人、特にその遺族の感情の行き場が問題となる。家族を皆殺しにされ唯一生き残った女性は時効が成立し、妻を凌辱され殺害された時計修理技工士は時効が撤廃される。このふたつの事件には老刑事の執拗な執念の捜査と、犯人への説得があった。時効になってもならなくとも、遺族の苦悩、犯人に対する恨みは変わらない。最後の最後で光が見えてよかった。社会派ミステリー大門さんの渋い作品。

2020/09/08

takaC

心意気は買うがちょっと狙い過ぎでは。最後のどんでん返しは唐突過ぎで「驚愕」はともかく「感動」は薄い。あら探ししたら色々出てきそうと読者に思わせてはいけない。

2013/09/24

ミーコ

これは面白い!今まで読んだ大門さんの中でダントツ❗とグイグイ引き込まれるも 最終章に近付くにつれ違和感が・・・ 無理矢理、持って行ったみたいな終わり方なのが残念に感じました。 それとキレたら学生に暴力を振るう俊介が危険な人物に思えて、好きになれませんでした。クズの様だった悠希が更生出来たのは 素直に嬉しく感じました。が薫さんが可哀想で救われませんでした。

2015/11/17

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