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螢草

螢草

螢草

作家
葉室麟
出版社
双葉社
発売日
2012-12-19
ISBN
9784575237986
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螢草 / 感想・レビュー

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藤枝梅安

前半はこの作者の得意な「国許と江戸表の確執」。風早市之進と妻・佐知の家に女中として上がった主人公・菜々の父の死の原因と現在の菜々の境遇との関連が明らかになっていく。この辺までは従来の葉室作品の枠組み。ところが後半から一気に「時代小説」になる。二人の子供の健気な姿と、壇浦五兵衛→だんご兵衛、お舟→おほね、椎上先生→死神先生、湧田の権蔵→駱駝の権蔵などの言い間違いは宮部みゆきさん的。「孤宿の人」を思い出した。更に菜々の敵討ちと藩主への訴えの場面からは浅田次郎さんの小説のようで、見事に「泣かせる」結末。

2013/06/16

はる

堅いイメージの葉室作品だけれど、この作品はとても読みやすいし娯楽性も高い。若い読者を意識して、あえて敷居を低くしたのかもしれない。前半のしっとりした雰囲気から後半の活劇まで、時代劇の魅力が詰まった痛快な物語。やや現実的でない部分もあるものの、読後感は爽やか。

2019/07/15

タックン

歴史小説は少し読むけど、江戸物はほとんど読まないので大丈夫かな?って思ったけど1日で一気に読んじゃうほどよかったです。菜々のどんな困難な状況になっても前向きに凜とした生き方が周りに共感を与えて仲間になってくれたんだなと思うと清々しい気持ちになりました。天然でお転婆なとこも微笑ましいな。 でも仇打ちのとこはちょっと無理があったような気がするし急展開すぎて付いていけなかったかな?まあ、ハッピーエンドよかったけど・・・・・。 読後感が最高の作品でした。

2013/07/14

kazu@十五夜読書会

十六歳で風早家に奉公に出た菜々は、市之進の妻佐知に露草の事を万葉集には月草と記して、俳諧では蛍草と教えられる。そして振る舞いから菜々が武家の血筋ではと尋ねられる。その佐知は労咳で幼き二人の子を菜々に託し亡くなる。その後、主人の風早市之進が無実の罪を着せられてしまう。驚くことに市之進を嵌めたのは、姦計に嵌められ切腹した父の仇敵その男だった。風早家の幼き二人の子を守るため菜々は孤軍奮闘し、そして一世一代の勝負に出る。中盤から葉室麟さんの作品というより、宮部みゆきさんの時代劇を読んでるような気がした。⇒

2013/06/16

くりきんとん99

私が読んだ葉室さんの作品の中で一番読みやすく、そして軽快で爽快だった作品。自分の身を顧みず、風早家の人たちを守ろうとする奈々。でも重さはなく、ただ明るく一途に前だけを見ている姿。そしてそんな奈々と出会い手助けする人たち。気持ちよく読むことができた。

2013/04/15

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