大空のドロテIII
大空のドロテIII / 感想・レビュー
けい
瀬名さんが描く大空の冒険小説の最終巻。偽物を含めて複数のルパンが登場する本作、かなり人物関係が複雑で読み解くのに一苦労で、もう一つ話に乗り切れなかった。大空を飛ぶ描写や風景の描写は美しく、感動的で非常に面白かったし、物語全体の伏線にある語り手と聞き手の正体も周到であった。自身に知識があれば、物語自体を純粋に楽しむことができたかもしれない。
2014/05/16
ぐうぐう
ルブランの小説を疑うことから始まった物語は、やがて複数のルパンを登場させるまでに至る。それは、ルパンシリーズへの冒瀆ではもちろんなく、ルパンを実体化させる試みに他ならない。小説を疑うことでそれを虚構とし、だからこそ複数のルパンを登場させることを可能とし、その時点でルパンは実在化するのだ。ルパンを現実のものとする以上の、ルブランへの敬意の表現があるだろうか。しかし瀬名は、それだけでは物語を終わらせない。(つづく)
2013/11/22
ハルト
少年少女の熱い思いを乗せて空を駆った飛行機。ヨーロッパを越えアフリカへ。ルパンと少年少女─ルパンの娘。国を轟かす陰謀にまでになっての冒険で、スケールが壮大でした。ルパンはもちろん、チェスタトンのみならずあの推理小説家の名前やある意味現代のルパンの生みの親でもあるあの人なんかも登場して、人物も華やか。なのになぜか盛り上がり切れずで、すごくもったいなかったです。すばらしい素材なのに調理方法や味つけが物足りずだった印象。ただ、飛行機への浪漫や情景の描写、新世界への感動はとても好きでした。
2013/01/31
外道皇帝
最終巻の舞台はアフリカ大陸に。これまでごちゃごちゃとしてきたルパンの偽物やVの野望、ドロテの出生の秘密などどうなるのかと期待していたがなんだか尻つぼみな終わり方。「神の石」というSF的な武器を登場させながらこんなに盛り上がらないラストでは・・・・がっかり。空中戦ももうちょっと派手にやって欲しかった。
2013/04/07
nirokuya
三部作ラスト。フランスを飛び出し、アフリカ大陸へと文字通り飛んできたドロテとジャン。そして遂に本物のアルセーヌ・ルパン登場!待ってました〜!!長かった。一瞬、チラッとは出演済みではあったけども。本物登場で物語は一気に加速(残りわずかだけどwww)。色々あったけど、結局ルパンの女性遍歴のせいで余計に混乱させられてんじゃないかと改めて認識しましたよ。ラストではニヤリとさせられた。まさかこの人出しちゃうか!と。ちなみに【冒険者】って単語には【アバンチュリエ】とルビ希望。
2013/01/26
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