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我が心の底の光

我が心の底の光

我が心の底の光

作家
貫井徳郎
出版社
双葉社
発売日
2015-01-21
ISBN
9784575238884
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我が心の底の光 / 感想・レビュー

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starbro

壮絶な幼少期を過ごすと何等かの形でその後の人生に悪影響を与えるんだと思いますが、四半世紀かけても復讐してしまう人生は悲しいものです。まさに我が心の底という感じでしょうか?川崎の中学生殺害事件を起こした18歳の少年も幼少期に何かあったのでしょうか?

2015/02/28

風眠

14歳から29歳まで、様々な犯罪に手を染める晄(ひかる)。それぞれの犯罪は繋がりがないように見える。けれど晄のなかでは繋がりがあった。親に虐待され、学校では虐められ、誰も信じず心を閉ざし生きてきた。80年代に生を受けながらも、豊かさとは無縁で、常に飢えていた晄。そんな晄が唯一心を許し、愛情をもったのが捨て猫のトラスケ。一見ばらばらに思えた犯罪の数々は、トラスケを殺した者たちへの復讐だったのだ。こんなに哀しく淋しい心ってあるだろうか。ラスト一行、死にゆく晄がはじめて見た「広い星空」が、私の心にも広がった。

2015/11/08

utinopoti27

母親のネグレクトで餓死寸前まで追い込まれる幼少期を経験した主人公・峰岸晄。そして母は死に、父は妻殺しの殺人者に。孤独と絶望の淵に立たされた彼には、心を閉ざし続けるしか生きる術はなかった・・。どっぷりと重苦しい空気感の中で展開するミステリを描かせたら、一級品の作家といえば貫井徳郎だろう。お決まりの転落人生を経て、中盤以降は不動産屋を詐欺にかけたり、小料理屋の女将を破滅させたりと執拗な復讐行為に出る主人公。そして怒涛のラストへとなだれ込むのだが、どうにも彼の行動原理が理解できないまま読了。やや消化不良の一冊。

2020/09/19

🐾Yoko Omoto🐾

育児放棄の母親から半ば見捨てられ半死半生の目に遭った幼少期。しかも実父は実母を暴力の果てに殺害。そんな過去を持つ一人の男性がどのような人生を歩むのか、想像を遥かに越えた孤独な旅は余りにも哀しいものだった。冷ややかな一人称の文体が孤独を際立たせ、一切の共感を拒絶するかのごとくストーリーは進む。賛否あるようだが私は、幼き子供があの壮絶な境遇の中で唯一の寄る辺としたかけがえのない光を、理解できないなどとはとても言えない。復讐の渦に身を投じながらも、自分の人生に関係のない他人を巻き込むことを恐れる→(続)

2016/06/19

nobby

ラストで彼の“心の底の光”が明らかになるのを目にして、大半の読者は戸惑いつつ、また憤りを覚えるに違いない…ただ、それは壮絶な境遇を強いられた本人にしか分かりえないのだ…幼少期の虐待に起因する異端そして復讐が描かれる展開を、哀しさ寂しさを重ねながらも同調し得る範囲で読み進める。その背景に何かあるとは感じるものの、罪を犯しながらも分かりやすく悪役を騙し追いつめていく様は痛快ですらある。そんな中、最終章で自らの意思の完遂を間近に、僅かな綻びから生じる事態が最も大切な者へ降り掛かるとは何と惨くせつない運命なのか…

2019/06/17

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