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ジャッジメント

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作家
小林由香
出版社
双葉社
発売日
2016-06-21
ISBN
9784575239706
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ジャッジメント / 感想・レビュー

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zero1

殺された家族の代わりに自ら犯人を殺す復讐法は是か非か?復讐を見届ける応報監察官の視点で描かれる。テーマはいいが人の物語としては薄い。大傑作になる要素はあったのにもったいない。ミステリーはアイデアだけではない。人をどう描くかだ。裁判を含む司法制度が無能に描かれているのも疑問。捜査や裁判で真実が明らかにならないのなら、復讐は冤罪の温床でしかない。殺される側の痛みや恐怖も不足。話題にはなるが深みが欠けている。デビュー作ということで、次作以降に期待。強く主張したい。復讐は心の闇を増やすだけで何も救わない。

2019/09/11

nobby

被害者が受けたのと同等の方法で加害者に合法的に制裁出来る『復讐法』。これにより従来通りの判決に加えて、復讐が選べるという設定は斬新!ただ死刑執行するのは遺族自身というところがミソ。5編とも虐待や宗教など、重く哀しい現実ばかりで胸が締め付けられるばかり…復讐するかの選択や実行してからの葛藤の描写に、その読後感は複雑極まりない。あらためて感じるのは、犯罪者ばかり庇護する刑罰体系への懐疑と被害者家族に冷たい世間。判例ありきでなく、対象者に合わせた苦悩を与えられないものか…

2016/10/19

つるちゃん0719

小林さん初読み。犯罪者から受けた被害内容と苦しみを合法的に刑罰執行できる「復讐法」が仮にあったら…被害者は「復讐法」を選ぶか?を問う短編集。どの話もすごく苦慮させられる。「復讐法」を選んだ場合、選択した被害者の遺族が自らの手で刑を執行し、被害者側は選択するまで悩み、執行後自分も殺人者になった事へ苦悩する。しかし実際に大切な人が殺されたら悩みながらも大半の人が「復讐法」を選ぶと思う。最後に被害者側の心の傷は一生癒えない。

2017/07/09

やまさん

犯罪被害者遺族の加害者に対する「復讐」が法的に認められ執行されていくストーリー。確かに現在の法律上では犯人の人権等を重視され被害者側が納得いかない審判もあることは確かです。「復讐法」に則り被害者遺族が復讐遂げていく際には自らの人格も崩れていく過程もあることでしょう。しかし、万一自分の娘や孫が被害にあった場合「復讐法」があれば自らも選択するかも・・「仕置き人」も必要かな・・。死刑の執行の度に議論される「死刑廃止論」。机上論では被害者感情を救えないのも確かです。「ハムラビ法典」彷彿させる本編は難しい課題です。

2018/08/08

Aya Murakami

あなたのゼイ肉、落としますの裏表紙に紹介されていて、図書館で借りてきた本。 10年以上前に世にも奇妙な物語で放送された仇討法のような感じの話でした。 第2章のボーダーというエピソードが特に心に残りました。娘よりも自分の母親を大事にする女が復讐法に基づき娘を自分の手で殺害しようとする話でした。母親を最優先する女の心情に違和感を感じていましたが、その違和感は当たっていました。歪んだ家族の絆というやつですね。

2018/07/22

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