ときどき旅に出るカフェ
ときどき旅に出るカフェ / 感想・レビュー
ウッディ
住宅地にあるカフェ・ルーズ。店主の葛井円が月初めに旅をし、そこで見つけた各国の軽食やスイーツを提供してくれるカフェだった。・・だから、こんなタイトルなんだと納得。旅先で未知のスイーツ、ドリンクに出会ったような喜びがあり、まるで旅行に行ったような気分になれる居心地のよいカフェ。こんなお店が近くにあればいいなと思います。店に出入りする人に関する小さなミステリーの謎解きもあり、わくわくしながら読み進めることができ、とても読みやすかった。ときどき訪れることのできるカフェになるように、シリーズ化希望します。
2018/07/02
さてさて
『ここは入り口なのだ。海外には簡単に行けなくても、世界が広いと知るための場所』をコンセプトに営業を続ける『カフェ・ルーズ』。私たちが一生の内に訪れることのできる場所には限りがあります。本来出会えなかったはずの食べ物・飲み物と出会い、『そこから世界が広がっていると感じ』ることのできる、そんな瞬間が味わえる『カフェ・ルーズ』。近藤史恵さんの魅力あふれる食の描写と、後味爽やかに解決されていくプチ・ミステリーの数々、そして、軽やかさだけでなく上手く練られたストーリー構成の妙にすっかり魅了された、そんな作品でした。
2021/10/30
紅はこべ
旅、グルメ、家族間の確執、近藤さんの得意テーマが詰まった一冊。瑛子が自転車好きというのも含めると…抜きん出た才能や際立つ美貌、高い志や夢がない人物を主人公にするのが近藤さんは上手い。円の兄は問題外だけど、あまり口にされなかった円の母が怖いと思った。円の祖母は彼女にとって実母でしょう、それなのに介護に一切手を出さず、遺産だけ要求するなんて。それだけ息子を溺愛してたのか。
2018/08/10
星落秋風五丈原
主人公の会社に勤めていた女性が開いたカフェを偶然見つけ、いきつけになるうち様々な事件に関わるようになって…。近藤さんのカフェシリーズはいいですね。ミステリと共においしそうな料理も楽しめて。
2017/05/02
hiro
日本でなじみの薄い世界のスイーツ、飲み物を提供するカフェ・ルーズが舞台。そこに足繁く通う37歳の独身で一人暮らしの瑛子と、一人で店を切り盛りする店主・円を中心に物語は進む。カフェで起こる事件や謎をスイーツ・飲み物を通して解き明かしていくという、「ビストロ・パ・マルシリーズ」と似たところがあり、悪意のある人たちが登場するという近藤作品らしい連作短編集のミステリ。「キリコシリーズ」が終了した後の新しいシリーズとして期待したい。登場したスイーツ・飲み物の中で鴛鴦茶だけは「タレーラン」のおかげで知っていた(笑)
2017/06/10
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