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十三階の神

十三階の神

十三階の神

作家
吉川英梨
出版社
双葉社
発売日
2018-07-18
ISBN
9784575241051
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十三階の神 / 感想・レビュー

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しんたろー

黒江律子シリーズ第2弾。前作のような大掛かりでド派手なシーンはないが、オウム事件を下敷きにした公安vs宗教団体の頭脳戦…「誰を信じたら良いんだー!」と叫びたくなるような騙し騙される展開が面白い。そして、追い詰められつつ奮闘する律子が痛々しくて愛おしい💛主人公がドンドン不幸になる物語は好きではないが、本作だけは例外…だからこそ、律子を応援したくなるように吉川さんが計算して描いているのだとしても。2作を通じて「孤独な恋」を貫く哀しいラブストーリーとも感じられるので、絶対に無理だろうが、大団円の続編を希望!♬

2019/04/09

いつでも母さん

「彼らは宗教が好きなんだ」何という言葉を発するのでしょう。そこに行きつくと、もう敵いませんよね・・あの教団や事件を思い出させ、又、これからをも想像させてしまう所に、この女がいた!前作は未読だがカバーとタイトルに惹かれて読んだ。十三階の女はモンスターと呼ばれ今度は神になるのか・・それは母にだけの神かぁ。なんだかこの黒江律子がどうにも哀しかった。家族にも仕事にもここまでされるのか・・でも、帰って来るのだろう。待っていたいと思う。先が気になり一気読みでした。

2018/09/05

🐾Yoko Omoto🐾

シリーズ2作目。オウム真理教を彷彿とさせるカルト教団トップの死刑執行を前に、元信者達の動向を監視し続ける公安。そして公安という名の伏魔殿で、律子が誰を信じ何を疑いどう立ち回るのか、先の読めない激動の展開にラストまで釘付け。組織に忠誠を誓い個を捨て去った女の、非情に成りきれぬ痛々しいまでのひた向きな正義感に本気で痺れ、どこに救いを求めればいいのか、そのやりきれぬ幕切れが余りにもキツい。好きだからその道に邁進する、その心理は宗教の道でも然りだとは実に言い得て妙であり、律子の核を浮き彫りにした点が印象深かった。

2019/12/01

utinopoti27

任務遂行のためなら女の武器を使うことも厭わない、公安組織「13階」の女・黒江律子。ターゲットは、あのオウムを彷彿とさせるカルト教団のカリスマ教祖だ。母親は入信してしまい、恋人は生死の境を彷徨う中、新たなテロを防ぐべく、妹の潜入にまで同意した彼女に、さらに最悪の事態が。二転三転するストーリー、誰が敵で誰が味方なのか、陰謀と裏切りの果てに、極限まで追いつめられる律子。そして正視に堪えない慟哭のクライマックスへ・・。作者の容赦ない筆さばきは、女王様の振るう一本鞭の如し。ああ、英梨様、次回作もぜひ読ませて下さい!

2020/02/10

nobby

「こんな女、いるだろうかー。」「こんな人生があるのか、と思う。」作品内での度重なる問いかけに首肯しながら、ひたすら心苦しさ抱えながらも必死に展開を追う…“十三階のモンスター”律子が対峙する新興宗教団体これまさにオウム真理教そのもの!ポアにVXガス、地下鉄サリンなど生々しく当時を重ね脅威を思い出す。一方で、ただ好きなこと、信じるものを追い続けた結果という解釈に暫し茫然自失…いつの間にか巻き込まれ、家族・組織・大切な存在を次々と削られ、二転三転に留まらない黒幕や真実の捻り模様は悲哀に溢れながらも一気読み必至。

2019/10/13

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